フィードバックの目的は「対話」すること
一方的に情報を伝えるのではなく、「対話」をすることこそがフィードバックの目的です。「こういう評価だけどどう思うか」「ここをこう改善したら評価は上げられると思うんだけど、自分ではそれができそうか」「他に評価をあげるために何ができると思うか」等々。一方的に伝えるのではなく「対話=コミュニケーション」であり、フィードバックに必要なものなのです。
私は、社長が以前していたこんな話を思い出しました。ある取引先への他社との競合コンペで、D社は付随サービスを付けることで実質的に破格の価格を実現し落札確実と思われたのに、蓋を開けてみたら失注したという「事件」がありました。先方からの理由説明は一切なし。F社長は「勝ち負けが問題なんじゃない。理由は欲しいだろ、理由は。理由が聞ければ次に向けての対策も打てる。もうあそこへの提案は金輪際しない!」と憤慨しました。
社長は私の話に、「それとこれは同じ話かい・・・」と多少困惑気味でしたが、一定の理解は示したようには見えました。
先週、D社の総務部長から「賞与の評価に入ったが、フィードバックは年明けでもいいか」という質問が来ました。私に聞くように、と社長から言われたそうです。詳しい状況をたずねてみると、社長が新年早々、全員に年初の各自の抱負を聞きながら個別面談をして、その際にそれとなく賞与の事も触れたいと。シャイな社長らしいとっかかり方ですが、なかなかよろしいかと思います。(大関暁夫)