「賞与下がった」理由説明は不要か

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フィードバックの目的は「対話」すること

   一方的に情報を伝えるのではなく、「対話」をすることこそがフィードバックの目的です。「こういう評価だけどどう思うか」「ここをこう改善したら評価は上げられると思うんだけど、自分ではそれができそうか」「他に評価をあげるために何ができると思うか」等々。一方的に伝えるのではなく「対話=コミュニケーション」であり、フィードバックに必要なものなのです。

   私は、社長が以前していたこんな話を思い出しました。ある取引先への他社との競合コンペで、D社は付随サービスを付けることで実質的に破格の価格を実現し落札確実と思われたのに、蓋を開けてみたら失注したという「事件」がありました。先方からの理由説明は一切なし。F社長は「勝ち負けが問題なんじゃない。理由は欲しいだろ、理由は。理由が聞ければ次に向けての対策も打てる。もうあそこへの提案は金輪際しない!」と憤慨しました。

   社長は私の話に、「それとこれは同じ話かい・・・」と多少困惑気味でしたが、一定の理解は示したようには見えました。

   先週、D社の総務部長から「賞与の評価に入ったが、フィードバックは年明けでもいいか」という質問が来ました。私に聞くように、と社長から言われたそうです。詳しい状況をたずねてみると、社長が新年早々、全員に年初の各自の抱負を聞きながら個別面談をして、その際にそれとなく賞与の事も触れたいと。シャイな社長らしいとっかかり方ですが、なかなかよろしいかと思います。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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