「昇進に伴う変化」のトップ3とは
中間管理職の仕事が「ラク」ではないことは、確かだ。日本経営協会の「平成25年度 日本の中間管理職意識調査」(2013年11月25日公表)によれば、「仕事上の問題・悩み」で、最も多かったものは「業務量が過大である」で34.6%。3人に1人の中間管理職が、仕事の多さに悩まされている。さらに、「経営トップの考えやメッセージが伝わってこない」と、上層部への不満もある。部下についても、「業務能力の低い部下がいる」(29%)、「業務配分が難しい」(28.4%)など、悩みは尽きない。
これだけ頑張っているのに、「自分の役割に比べて(管理職手当は)低い」とする意見が、42.3%と最多を占めている。また、「昇進に伴う変化」のトップ3は、「ストレスが増えた」(59.8%)、「責任感が強まった」(49.1%)、「仕事が増えた」(43.3%)となっている。明らかに、大変そうだ。
冒頭の「出世したくない」男性には、「夫が中間管理職」という女性から、切実な回答が寄せられた。夫は、「管理職になった時は、自分の仕事が評価されたと喜んでいた」という。が、今は「朝早くから晩遅くまで働き、休日出勤もし、子供との会話もままなりません。疲れた顔で帰ってきてまたパソコンの前へ・・・ストレスも半端ないようで、このままでは鬱になりやしないか、とても心配」しているそうだ。
「仕事もお金も大切ですが、心の健康が一番大切だと思います」という女性。心身を壊すリスクを背負ってまで、中間管理職になるか? それとも、がむしゃらに働き、さらに上を目指すか? 考えこんでしまう人も、いるかもしれない。(KH)