「特に無駄遣いをしているわけでもないのに、お金が貯まらない」。こんな悩みを抱えるビジネスパーソンは多い。一方で、年収がそれほど多くなくても、ガッツリ貯金している人もいる。「お金が貯まる人」は、何が違うのか。
「コンビニ、ファミレスは行かない」
先日、「年収260万円で、貯金1000万円」というブロガーが明かす、「お金が貯まる暮らし方」が、話題になった(「アレ?貯金が1000万超えてる...ゆるく生きる暮らし」2014年11月6日)。著者は、「ゆるく生きる」をモットーにする「ちるど」氏。年収260万円の正社員で、実家暮らし、手取りは毎月17万円前後という。
ちるど氏によれば、お金が貯まる条件は、たとえ収入がそれほどなくても、「正社員であること」、そして「実家で暮らすこと」など6つ。彼は実家に、食費や光熱費として毎月3万円入れており、それなりに家事もしているという。「実家暮らしじゃないから、そんなの無理!」という人でも、彼のいう「コンビニ、ファミレスに行かない」「結婚しない」「車を持たない」などを実践すれば、(1000万円とはいかないまでも)お金は貯まりそうだ。
コンビニやファミレスでは、つい余計なものを買ったり、食べたりしてしまう。結婚して子どもができれば、多額の教育費がかかる。ちるど氏によれば、車の維持費は、駐車場代も含めて「軽自動車でも毎月4~5万円」かかり、「年収300万以下の人が、車を所有するのはデメリットしかない」という。
ブログには、様々な反応のつぶやきが寄せられている。ちるど氏の『質素』な暮らしに、「極端だけど、常識となっているものを削っていくのには賛成。 もっとお金をかけずに暮らせるはず」と賛同する人もいれば、「貯金が大事なのはわかるんだけど、こういう人、やだなー」という人もいる。生活費がかかっても、「普通に結婚はしたいよ」という人もいた。一生独身でいる寂しさは、お金には変えられないのかもしれない。
「迷い」を断ち切ると貯金ができる?
「年収260万円で貯金1000万円」とはいかないまでも、地道にお金を貯めるコツは沢山ある。プレジデントオンラインの記事、「年収300万で年間100万円貯金できる魔法」(2014年5月14日)では、「男性の約44%が年収400万円以下」という国税庁調査(2011年)を引用しつつ、今や「年収300万円は、日本のサラリーマンとしてはごく当たり前の水準」とズバリ。この収入で、うまくやりくりしている人たちの特徴は、「迷いがないこと」だという。
収入レベルに合わせて、「中古車にする」「地方に引っ越す」などの決断をし、削れるところは削る。そのかわり、「子どもの養育資金」など、目的を持った貯金は怠らない。逆に、ライフスタイルが定まらず、なんとなく付き合いでお金を使ったり、収入が減ったのに、何となく、元のまま、家賃の高い家に住んだりしている人は、お金が貯まらないという。
大げさに言えば、「自分は何を重要視して生きるのか」考えることで、おのずと「ムダな消費」は削ぎ落とされるのかもしれない。
とはいえ、コンビニやファミレスには行かない、車は持たない、結婚しないなど、徹底してムダを削ぎ落とした冒頭の「ちるど氏」には、「ないないづくしのおかげでお金が貯まるなんて......自分には無理です」「そりゃお金は貯まるだろうけど、楽しいのかな」など、「消費は人生を楽しくする」との意見も目立った。何事もメリハリが大切なようだ。さて、あなたは「貯まる生活」ですか?それとも......。(KH)