「IT革新についていけない」 そんな経営者は退場せよ

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ブラック職場回避のヒントは、こんなところに

   一方、「ITのことは分からない。でも、重要性は認めているからシステム担当をおいて任せているからそれでいいだろう」と言う経営者がいますが、先の例のようなIT拒絶でない分だけまだマシですが、本当はこれでもまずいのです。「どこをどのような技術を使って、どのように効率化、利便化するべきか」の判断は、間違いなく経営者の仕事だからです。プロのシステム屋さんと対等に話が出来る必要はないとしても、ある程度の知識を持ってプロのアドバイスを受けないことには投資の妥当性が判断できず、重要なIT投資でも単純に「高いからやめ」となりかねないのです。

   基本的に老若男女問わず経営者たるもの、常に勉強を続け新たな知識を入れることがその責務です。ITはひとつの代表例ですが、自身にとって畑違いの知識であろうとも、新しい知恵や技術に対して拒絶感を感じるようであるのなら、従業員を不幸にしないために経営者のイスは速やかに他の者に譲るべきであるとすら言えるのです。

   こんなこともありました。

   先日知り合いのイタリアン・レストラン経営者から3店舗目のオープン案内をもらい、内覧会に顔を出しました。タブレットがレジを兼ね、スタッフ一人ひとりはスマホで注文を受けていました。挨拶に回られた支配人にこの点をたずねてみました。

「すべて社長の発案です。既製品のアプリをベースにしているので、初期投資は安価でバージョンアップも容易。加えて意外だったのは、スタッフのモチベーションアップ。業界最先端の職場で働いている意識が根付くのでしょうか、みんなイキイキやっています」

   確かにスタッフがスマホ片手にイキイキと働く姿は、アップルストアのそれを思わせるものでもありました。経営が新しいことに積極的に取り組む姿勢を示すことは、単にサービスの高度化や業務の効率化だけでなく、組織活性化の点からもプラス効果が大きいのです。ブラック職場回避のヒントは、意外や意外こんなところにあるのかもしれません。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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