「コミュ力重視」社会が産み落とした「恐ろしい世界」

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   「最近の若者は、ここがダメ」「これだからゆとり世代は・・・」など、年長世代の決まり文句と化した愚痴は多い。そんな風潮に対し、「いやいや、若手は優秀なヤツばかりで、むしろ怖い」と、異を唱えるブログ・ツイートが話題になっている。果たして、「優秀」が意味するものとは。

「不思議なほどよくできている」若者たち

てきぱき、テキパキ!
てきぱき、テキパキ!

   「テキパキしてない人、愛想も要領も悪い人はどこへ行ったの?」と題した、「シロクマの屑籠」氏によるブログ(2014年11月14日)やツイートによると、最近の職場で見かける若者たちは、「不思議なほどよくできている」という。いわく、コンビニやホームセンターの店員、市役所の窓口の人、警察官など、様々な業種の若い人と話す限り、「ネットスラングでいうコミュ障の兆候を読み取れる人にはなかなか出会わない」。

   みんな、それなりにコミュニケーションができ、一昔は沢山いたような、「『ぎこちなく頑張って喋ってます』的な人や『真面目に働いているけれども超スロー』な人は稀になった」という。

   シロクマの屑籠氏は、こうした「社会の前線、職場の前線でみかける若者」たちが、一様に「ツルツルピカピカしてみえる」ことを、危惧している。なぜなら、ほんの少し前まで、社会には、不器用な人や、無愛想な人が沢山いて、それでも働いていたからだ。そういう人たちが排除され、「要領の悪い人間、愛想の悪い人間が働ける場所が失われてきているのではないか?」と、警鐘を鳴らす。

   経団連が毎年、加盟企業に対して実施しているアンケートでも、採用の際、重視した能力は「コミュニケーション能力」が86.6%で、断トツのトップだ(2014年1月9日公表)。ちなみに、10年前(2004年)に公表された同調査でも、1位は変わらず「コミュニケーション能力」。だが、その割合は68.3%で、この10年間に「コミュ力」を重視する企業が、20ポイント近く増えている。

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