「高単価」商談を勝ち取る「有効訪問」の意識付け

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   先日、ある経営者と営業力をテーマに対談をしました。その会社はインターネット事業で急拡大していましたが、経営者はエンジニア出身でどちらかと言うと営業とはかけ離れた立場にいるようにも見えました。なので、逆にどのような回答が出てくるか楽しみでしたが、実際に対談が始まると意外な展開となりました。

相手の企業体力を考える

「単価」を意識する
「単価」を意識する
「社長は技術屋なので営業は苦手ですか?」
「そんなことは無いですよ。必要ならばやります」

   更に質問を続けました。

「仮に営業として好きな商品を売れるとしたら何を売りますか」

   この答えが印象的でした。

「高単価なものを売りたいですね」

   この回答はどの営業にも大変に参考になる回答です。自分の時間を使って売り上げ目標を達成するには「高単価」は大切なポイントになります。高単価とは1社あたりの単価を上げるということです。極端に言えば10倍の売り上げ目標を持ったとしても1社で取引が10倍になれば目標は達成できる訳です。これが新規の取引であと9社開拓しようとするとどうですか?かなり手間と時間はかかることが想定されます。ですから可能な限り1社あたりの取引が最大化するための努力は惜しんではいけません。

   ただし、どんなお客様でも単価を上げるチャンスがあるわけではありません。

【考えてみましょう】

   以下の2社であればどちらに単価が上がる可能性があると思いますか?あなたは事務機器の営業です。

(1)A社:現在の実績は1000万。売り上げ2億の部品工場
(2)B社:現在の実績は150万。売り上げ60億の部品商社

   答えは(2)です。今の取引額より企業の規模や成長性から考えれば2億より60億の企業の方がポテンシャルも高いに決まっています。私の部下ではこんな勘違いのケースがありました。

「相手の社長がすごく乗り気なのです。いい提案をドンドン持ってきて、と言うのでこの企画でいいでしょうか?」

   企画書を確認すると見積書に総額1000万の新卒採用の提案が書かれていました。少々気になったので、その会社の事業概要を聞いてみると

「会社は資本金300万円 年商3500万の居酒屋です。人手が足りないので幾らでも欲しいと言っています」
「よく考えてみなさい!この事業規模で1000万円使えるはずがないだろう。考え直して別の企画を考えなさい。例えば低コストでアルバイト募集の提案をするとか」

   思わず声を荒げましたが、相手の企業体力を考えれば無理な話です。当然に背伸びしたコストのかかる提案をすることはありますが、それでも今回の企画は無謀にしか見えませんでした。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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