彼氏の影響で、あっさり「研究放棄」するリケジョ

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「研究テーマに興味がなくなっちゃいましたぁ~」

   そういえば、とある日、卒業研究も頑張り大学院に進学した期待のリケジョが、深刻そうな顔で私のもとに相談に来たなぁ。

「先生、研究テーマに興味がなくなっちゃいました~」
「えっ?『やり残したテーマを大学院で研究するんだ』って意気込んでたじゃない??」
「別に、やりたいことができたんです~。マーケティングの勉強とかぁ~、おいしいレストランメニューの開発とかぁ~」
「・・・うちの研究分野と全く違うんだけど?」
「だって、ファミレスでアルバイトしてる彼氏が、『将来、一緒にお店をやろう』って。その役に立つ勉強をしたいんです~」
「・・・」(心の中で『さて、知り合いの文系の先生に相談してみるか』)

――あっ、いかん、いかん、気を取り直して祝辞の確認を続けなきゃ。私の順番はもうすぐだ。え~っと、もう一度、念のため新婦の顔と名前を確認しないと。元カノの名前と間違っちゃ大変だしな。(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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