「研究テーマに興味がなくなっちゃいましたぁ~」
そういえば、とある日、卒業研究も頑張り大学院に進学した期待のリケジョが、深刻そうな顔で私のもとに相談に来たなぁ。
「先生、研究テーマに興味がなくなっちゃいました~」
「えっ?『やり残したテーマを大学院で研究するんだ』って意気込んでたじゃない??」
「別に、やりたいことができたんです~。マーケティングの勉強とかぁ~、おいしいレストランメニューの開発とかぁ~」
「・・・うちの研究分野と全く違うんだけど?」
「だって、ファミレスでアルバイトしてる彼氏が、『将来、一緒にお店をやろう』って。その役に立つ勉強をしたいんです~」
「・・・」(心の中で『さて、知り合いの文系の先生に相談してみるか』)
――あっ、いかん、いかん、気を取り直して祝辞の確認を続けなきゃ。私の順番はもうすぐだ。え~っと、もう一度、念のため新婦の顔と名前を確認しないと。元カノの名前と間違っちゃ大変だしな。(プロフェッサーXYZ)