働く女性の増加に伴い、転職する女性も年々増えている。厚生労働省が発表した2013年の「雇用動向調査」によると、13年1年間の女性の転職入職率は12.3%で、ここ5年で最高の割合となった。
既婚女性が仕事と家庭を両立しやすいように、よりよい職場環境を求めて転職するケースもあるのだろうが、家族計画に悩む声も聞こえてくる。
新会社に入社するまでの期間に不妊治療
14年11月5日、Q&Aサイト「発言小町」に「転職と妊娠を同時に 非常識でしょうか?」というトピックが立てられた。
相談者は結婚3年目のアラサー女性で、会社の組織再編とグループの海外移転に伴って退職、すでに転職活動を行い1社から正社員で内定をもらっているという。
夫婦の間では、夫側の理由で高度不妊治療をしないと妊娠の可能性がかなり低く、体外受精を勧められているという。夫の症状が進行する可能性もあり、できるだけ早く子供が欲しいという事情がある。そこで、今の会社を退職してから新しい会社に入社するまでの1か月半の間に治療をしたいと考えているそうだ。
もし妊娠しても出産までは仕事に支障のないようにし、産後8週間の産休明けにすぐ復帰。子供は転職先に完備されている保育園に入園させ、近くに住んでいる両親に面倒を見てもらうつもりという。その上で「転職前に不妊治療を始めるのは無謀でしょうか」と相談している。
「妊娠を甘く見すぎ」「子持ちも引く」と厳しい声
回答欄には主に女性とみられるユーザーから、手厳しいコメントが並んでいる。
「せめて、2~3年程度は待ったらどうでしょう?同じ部署に、トピ主さんのような方が転職して来たら批判の言葉は口にしませんが『この人、何しに来たの?』とは、確実に思います」
「あなたは、体外受精も妊娠出産も、どっちもあまく見すぎてる。ついでに会社や社会もなめ切ってる。入社して仕事おしえてもらいながら、つわりがひどかったらどうするの?切迫流産になって安静指示がでたら、入社したとたんに長期欠勤ですか?」
「私が前いた会社に、途中入社して3か月目に妊娠2か月ですと報告した人がいました。そこからはつわりがひどいとかで休む休む。引き継ぎもようやく終わり、仕事もおぼえ切ったかなというそばから、再び募集→引き継ぎ。周囲がこうなるのわかっててあえて子作りするんだね、と子持ちもみな引いていました。その人はさすがに空気を読んで、産休をとらず退職しましたけれど」
「事情が事情だから仕方ない」と応援する声もあるが、多くは「内定を辞退すべき」「転職ではなく退職して妊活に専念すべき」とのアドバイスだった。
アドバイスももっともだが、働かざるを得ない事情、すぐに妊娠すべき事情など、夫婦にはさまざまな事情があり、一概には言えない側面もある。なかなか難しい問題のようだ。(MM)