2014年6月、カンボジアの首都、プノンペンにイオンモールができました。
このイオンモールの衝撃は、東京に住んでいる人にはなかなか伝わらないかもしれません。
私は、生まれも育ちも東京都台東区なのですが、家の周りはあまり商業施設がなく、中学校に入る頃まで、徒歩圏内にコンビニ、スーパーがありませんでした(八百屋や肉屋、駄菓子やなどはあった)。
そこにある日いきなりミニストップができた衝撃。
やべえよ。夜中でもお菓子が買える!ノートとか電球まで買えちゃう! ジャンプがいつでも立ち読みできる?!
この時の10倍くらいの衝撃がイオンモールにはあったのです。
「どこで何を買っていいかが分からない」状態
プノンペンの街は、昭和50年代(1975年~)日本のようです。
スーパーマーケットは街に数件しかなく、デパート(と辛うじて呼べるショッピングモール)も数件。それ以外はコンビニらしきものもあるのですが、ほとんどが駄菓子屋レベルの個人商店です。
こういう場所で生活をしていて困るのが、「どこで何を買っていいかが分からない」、特に「品質のいいものがどこにあるかわからない」ということです。
ベッドの上に置くマットレスとか、荷物を片付けるための棚とかを買おうと思ったとき、どこに売っているかがさっぱり分かりません。プノンペンに長く住んでいるような人であれば見当がつくのでしょうが、私のような新参者にとっては大変です。
日本なら、イケアやニトリに行けばあらかた間違いなく、期待した品質のものが手に入ります。ネットで探せば高級品から安価なものまで選び放題です。
これに対して、プノンペンでマットレスを探そうとすると、どこに行っていいのか、から考えなくてはならなかったのです。
しかし、イオンモールができたことで「とりあえずイオンにいけばある」ということが分かります。緊急であればイオンで買えちゃう。
実際、価格も、街中の個人商店で買うのと大差はないですし、電化製品などは故障したときの修理もイオンが窓口となって受け付けてくれるので、トラブルも少ないため利用価値が非常に高いです。
新しく何かをしようとする人に優しい街に
もちろん、こだわっていいものを探したいときや、できる限り安く購入したいときは、街中を探し回ることになります。しかし「イオンに行けば、なんとかなる」「まずはイオンで価格感を調べよう」という安心ができたのは、本当に大きいのです。
某コンビニのキャッチコピーが「あるといいな、がある」でしたが、イオンモールは、まさにそんな感覚なのです。
日本の都市部に住んでいる人には全く分からない感覚だとは思うのですが、日本では当たり前になっている事が非常に大きな価値になるということは多々あります。
そして、新興国でビジネスを行う事面白さは、こういうところにあるのです。
日本では当然な「あるといいな、がある」をきっちり提供するだけで、絶大な価値を創造できる。これは、イオンモールの様な巨大な総合ショッピングモールだけではありません。
あそこにいけば、人材に関してはどうにかなる。あそこにいけば、工事に関しては何とかしてくれる。など、分野を絞って安定した価値を提供するだけで商売になるのです。
こうやって、いろんな街が、はじめて来た人や、新しく何かをしようとする人に優しい街になっていくとステキだなと思うのです。
そして、我々があって当たり前と思っているものが平気でないのが途上国。それを、現地の人が手に入れられる価格で提供することができれば、大きなビジネスになります。なにがあって、何がないのかを考えるだけでワクワクしてくるので、なにかやりたい!って思う人は、是非途上国へ!(森山たつを)
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