この夏、都内某中堅私大のN大商学部のオープンキャンパスに行った時のことです。
全体の説明会で進行役の教員が、
「いまどき、就活では資格が5つないと不利」
と話していました。
よっぽど、
「異議あり!だったら、商学部生で資格を5つもっている学生はどれくらいいるのか、教えてください」
と挙手しようかと思いましたが、単なる迷惑なのでさすがに自重。
しかし、ことほどさように、就活において資格が誤解されることが少なくありません。
役立たず資格の宣伝が誤解を助長?
前回、前々回でご紹介したエアラインスクールでも、TOEICスコアの目安を伝えず、補習授業だけ受けさせるところがあります。
そこで、今回は「資格と就活」がテーマ。
そもそも、資格は国家資格、かつ、その資格を取得しないと就職できないもの(医師、看護師など)と、有無に関係なく就職できるものなど、混在しています。
後者では例えば、英語の実力を推し量る「資格」として、実用英語検定やTOEICなどは有名です。
また、大学の該当学部で必要科目・単位をとって卒業すれば、基本的に誰でも申請・取得ができる認定心理士資格などもありますが、残念ながら、筆者が企業の人事担当者を取材する範囲では、こうした資格を取れば一般企業での就活が有利になる、という話は寡聞にして知りません。
しかし、一部の大学・学部がこれらの資格を取得できることをアピール、さらに暴走して、「(一般企業の)就活でも役立つ」と陰に陽に宣伝しています。どうもこのあたりが「資格が就活で役立つ」を助長している一因です。