国際会議で論文発表
じつは、彼には非常に優秀な弟がいて、T大学に現役合格とか。高校生ぐらいまで「弟に敵うわけない」とあきらめ気分だったらしいが、自分もやればできるんだと考えたらしい。この頃、成績中ぐらい。
「先生の研究室を希望します」
「そう、希望通りになるといいね」
結局、私の研究室に配属になり、大学院の入試も合格。卒業研究、大学院の修士論文作成と面倒をみることになった。卒研時代は、上の下ぐらいの成績かな。
「先生、英検2級受かりました」
「そうか、よかったな。じゃあ、今度、国際会議で論文発表してみるか?」
「はい、ぜひ、やりたいです!!」
「えっ・・・本気で?」
そのリケダン、ユーロ圏で開かれた国際会議でポスター形式の研究発表を行った。私も、たまに少しだけ助け舟を出したが基本自力で。
「さっき、長々と英語で質問されていたけど、何、聞かれたんだい?」
「え~っと、実験の詳細とあと・・・そうそう、『KANJI』でお前の名前をどう書くのかって?」
彼は、国内の学会でも発表も行い、論文も和文と英文とそれぞれ1報ずつ、計2報が学術誌に掲載という結果を残して修士課程を修了した。その甲斐あって、奨学金返還の半額免除を勝ち取り、大手外資メーカーに就職できた。まあ、最終的には成績も上の中ぐらいになったと言う事で。(プロフェッサーXYZ)