キーマンとアポが取れる電話テクニック

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得する&損する情報に敏感

   要は得する&損する情報に敏感なのです。経営者は、面識のない人からの連絡で「どの会社から」はもちろん意識します。大手企業からの電話であれば会うかもしれません。ただ、経営者も会社の知名度だけの基準で会う・会わないと決めてはいません。

「この話なら会ってみよう」

と思える内容で判断をしています。経営者は何となく会うという判断はしません。余談ですが、経営者は多忙ですが本当に会うべきテーマであれば他のアポイントを飛ばしても会おうとする「計算高い」習性があります。私の体験で1か月も前から約束したアポイントで社長と面会の時間をいただいたにも関わらず、融資を受けている銀行の担当がフラッと訪ねてきたら

「すまないが、大事なお客様が来たので日を改めてくれるか?」

と追い返されたことがあります。大変ショックな出来事として覚えていますが、経営者はそれだけ優先順位を考えて人に会っていることを体感させられる機会となりました。

「いつかこの逆の立場にならなければ」

と今でも思っていますが、経営者は会社名が有名無名だけではなく、必要だと思えばきっと会ってくれるはずです。では話を戻しましょう。

   この「同業他社のトラブル」と書いた「キーワード4」はわかりづらいかもしれませんが、例えばこのようなイメージです。

「同業他社のある会社が個人情報の漏洩で大変なことになっているのはご存知ですか?その対策を社長にご紹介したいのですが」

などと危機感をつのる話をすると、食いついてくる経営者は少なくありません。

   こうしたキーワードを織り込むと会える確率は更に高まります。

「当社の商品を御導入いただいて売り上げが伸びた事例をお話しさせてください」
「ご同業でのお取り組みをお聞きした事例があるのですが、直接ご説明したいので・・・」

などと琴線に触れそうな言い方で訪問の趣旨を伝えると、意外な程にキーマンが引っ張り出せます。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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