世の中は理不尽なことだらけだ。特に社会に出て働いていると、納得いかないことにぶち当たることもしばしばあるだろう。
そんな「納得いかないこと」のランキング結果が公表されたところ、その1位の結果に対し、「納得いかない」人もいて異論を表明している。「こんなことに怒るのは心が狭い」というわけだ。
不良から更生した人の方が賞賛される
「納得いかない世の中の風潮」ランキングを発表したのは、女性向けサイト「マイナビウーマン」(2014年11月1日)だ。
約500人の読者へのアンケート調査で、「納得いかない」1位に輝いたのは「ずっと一貫して真面目な人より、不良から更生した人の方が賞賛される」(37.6%)だった。
読者からは「マイナスからゼロになっただけなのに、プラスに感じてしまうのはずるい」「ずっと真面目にやってても、褒められたこともなく、特に『真面目にやってて良かった』と報われた感もない」といった意見が寄せられたという。
記事では「もちろん真面目な優等生タイプの中でも突出した秀才やエリートは賞賛されるでしょうが、多くの中間層、つまり『普通の人たち』の中では、『更生した元不良』の方が自分たちより評価され過ぎでは? という不満が大きいようです」と評している。
「元不良が賞賛される」のは「ゲインロス効果」
この結果に対し、ネット上では「真面目にコツコツ生きてきた方がバカを見るんですね、わかります」「不良が更生するのは良いことだけど、更生するまでに傷つけた大勢の人達のことが無かったことにされてるのは納得できない」「不良がモテるのはムカつくぜ」など「わかる」との声が上がる一方、
「平凡なあるある話としては面白いが本気で腹立ててる人はなんだかなぁ...大人の言う事そのまま聞いてた君のほうが偉いぞ!って未だ褒めてほしいのかな?」
「そこに気付いてるなら不良から更生する側に回れば良いのにって思う。生き方も才能もそうなんだけど劇的な何かを演出出来ない人はやっぱり賞賛されないよ。別に賞賛されなくても人生は楽しいし」
「真面目に生きてる人はこんなのに『ずるい』とか小さいこと言ってないで、引き続き真っ直ぐ生きたらいいと思う」
と、「当然では」「そんなこと気にするほうがどうなの」というような意見も少なくない。
ちなみに「不良から更生した人が賞賛される」現象は、「ゲインロス効果」という心理学の理論に近い。
これは「最初にマイナスの印象を与えておいてから、後でプラスの印象を与えると、より大きな好印象を与えることができる」というもの。人間の心理としてある程度仕方ないと思えば、どうしても納得できないという人のイライラも少しおさまるかもしれない。(MM)