「五輪アジェンダ2020」という単語が、2014年10月の新聞社配信ニュースに時おり登場した。国際オリンピック委員会(IOC)の理事会がスイスで始まり、中長期改革「五輪アジェンダ2020」の審議が始まったことを受けた報道だ。ところで、「アジェンダ」って何でしたっけ・・・?
よく耳にするが、その意味は今ひとつ分かっていない――そんなカタカナ語は、ビジネスの場でも広がっている。「エビデンスが足りないんだよね」「あのプロジェクトはスケールしないと思う」など、やたらとカタカナ語が飛び交う職場もある。が、中には、意味が曖昧なまま、単に「格好いいから」使われている例も少なくない。見栄っ張りのカタカナ語使いは、場合によっては、他人をイラつかせることもあるようだ。
「そのソフトはオーソライズされたものですよね?」
日本経済新聞が、調査会社の協力を得て、全国の20~60代以上の男女1030人にアンケートを取ったところ、「知ってるようで知らないカタカナ語」の1位は、「オンデマンド」、2位「アーカイブ」、3位が「アセスメント」となっている(2014年10月19日公表)。どれも日常的に耳にする言葉だが、意味が曖昧なまま使っている人もいるだろう。
また、ランキングサイト、gooランキングの、「日本語で言ってくれれば意味がわかるのに...と思うカタカナ語ランキング」(2014年1月10日公表)によると、トップは「アジェンダ」、次いで「オーソライズ」、「オルタナティブ」、「エビデンス」、「バジェット」の順だった。
1位の「アジェンダ」は、ビジネスの計画や予定を意味する。が、日本語で「計画」と言ってもらった方が、スッキリする気がする。「オーソライズ」は、正当と認めること、公認されたもののことで、「そのソフトはオーソライズされたものですよね?」などと使う。こちらも、日本語で「認められたもの」と言っても、問題なさそうだ。
「オルタナティブ」は、「代案」や「二者択一」のこと、「エビデンス」は証拠や検証結果、「バジェット」は、単に「予算」だ。いずれも、カタカナ語で表現する必要性は、それほどないように思う。