「入社後1年間は授業料をとる会社」は都市伝説か

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「入社後一年間は授業料をいただきます。二年目は授業料免除、三年目からは給料を払います。」――山形県にある「秋山鉄工」の採用ページが、「挑発的だ」などと話題になっている。ネットでは賛否両論が飛び交い、社長に取材するメディアも現れた。

採用ページに「入社お断り三条」

授業料は頂きますね
授業料は頂きますね

   話題になっているのは、山形県鶴岡市に本社を置く、老舗メーカー「秋山鉄工」のホームページだ。「採用について」と題したページには、冒頭から、「こんな大切なことをインターネットで調べようとする人は要りません。電話をして、自分で直接お出でください」の文字が踊る。確かに『挑発的』だ。

   さらに、「入社お断り三条」として、「給料が高くて、休みが多くて、汚れなくて、楽な仕事を望む人オコトワリ!」「入社後1年間、自家用車通勤オコトワリ!」「中学初級の学力のない人オコトワリ!」などとある。同社はこの三条を、20年前から掲げているという。

   最も注目を集めたのは、「入社後一年間は授業料をいただきます。二年目は授業料免除、三年目からは給料を払います」との文言だ。まとめサイトなどに転載されると、「すげーなこの態度」「授業料っておい」「ブラックすぎる」などと話題に。秋山鉄工のフェイスブックページによると、「ホームページの掲示板(談話室)が『炎上』」し、(10月)「28日午後にはヒットが集中し一時的にサーバーダウン」したという。

「入社するなら覚悟して来いって事だろ」

   ネットでは、同社への批判に加え、「あの挑発的な採用ページの『真意』は何だ?」と、憶測が飛び交った。

   まとめサイトでは、「よほど技術に自信があるんだろうな。こんなのネットでどう叩こうが、そもそも土俵が違うし勝負にならんw」と、同社が採用に困っていないからこその「自信」を見せているという人もいれば、「ネットで会社概要を調べるだけの人は要らんのだろう」と、「ラクして得られる情報で満足してしまう若者」をシャットアウトする意図を汲む人もいる。

   反響を受けて、ネットニュースの「ねとらぼ」が、社長に電話取材をしたところ、「入社後一年間は授業料をもらい、二年目は授業料を免除、三年たってようやく給料を払うつもり」という話は「うそ」だという。実際は、「賃金はしっかり支払っている」とのことだ(「『入社後1年間は授業料をいただきます』は釣り?それともガチ?採用ページが話題の秋山鉄工、社長に真意を聞いてみた」2014年10月29日更新)。ただし、「入社お断り三条」など、厳しい態度であることには変わりがない。

   記事がヤフーニュースに配信されると、コメント欄には1000以上の意見が書き込まれた。「そういった考えは結構だけど、『挑発』する意味はあるのか?」という人もいれば、「実際は、1年目は戦力にならないということだろうね」「入社するなら覚悟して来いって事だろ」と、理解を示す人もいる。

   秋山鉄工のフェイスブックページ(14年10月28日)には、ネットでの批判に対し、「匿名ですから、いろんな人が勝手に書いています。表現が刺激的、傲慢と受け取れる部分があるので、標的にされたのでしょう。新入社員に給料を支払わない『ブラック企業」と受け止めておられるようです。ほとんどは遠方の方々で当社のことはご存じないはずです」と書かれていた。(KH)

姉妹サイト