「妊娠降格は違法」の最高裁判断が、女性を苦しめる?

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「女性は最初から雇わない」という企業も出てくるかも

   一方で、「自ら負担の軽い業務を希望して降格したことを訴えるのはおかしい」と考える人も多いようだ。「妊娠や結婚によって仕事に支障が出るのは事実。妊娠した事でこれまで同様に仕事が出来るわけではない」「社会人としての責任も果たせないのなら、真の男女共同参画なんてありえない」など、妊娠したことで仕事の内容が変わるのなら減給や降格もやむなし、との意見も上がっている。

   また、「かえってこの判断が女性にとって不利になるのでは」と危惧する声もある。

   育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、ブログ(10月27日)で「『だったら女性は最初から雇わない』と経営者たちが考えるかもしれない」と指摘。従来通りの仕事ができなくなった女性への待遇を変えない、余剰人員を確保しておく、休んでいる社員の負担を分担するなどの対応が考えられるが、中小・零細企業では他の社員の負担が大幅に増え、経営状況もひっ迫するおそれがあるとしている。

   そもそも出産や育児は女性だけでなく男性のライフイベントでもあるため、今後女性が不利になることがないよう、「妻が専業主婦だって、夫も家のことをちゃんとすべき」という常識を広める、子供をもうけない夫婦が富の再配分という形で育児に協力する、中小・零細企業への支援を充実させるなどの対策を提案している。

   高裁はどんな判決をくだすのか。注目が集まる。(MM)

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