「英語のグラウンド」に踏み出そう 机上だけの学習に「さようなら」

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英語学習における「ボールを握る」体験

   とはいえ、そんなセオリーだけを教えることに意味があるのかというと大きな疑問です。試合で役に立つ技術を身につけるためにはグラウンドで身体を動かす事が必須ですし、その指導をするには少なくとも教える側もボールを握った経験が必要であるはずです。

「日本の高校生が英語を覚える理由は、大学に入るためだから、受験英語ができるようになって、入試に受かればいいんじゃない?」

   まあ、そのとおりです。と、いうわけで、それなりに英語を勉強しているのに英語ができない国民が大量生産されているわけです。

   そもそもパスポートを持っていない日本人も結構いますし、日本国内だけで生きていくのに英語は必要ありません。日本が今後も豊かであれば、これも問題ない気がします。だったら「外に出ていかない」と決めている人には今まで通りの教育でいいけれど、「外に出ていきたい」と思っている人には、英語学習を一旦免除して他の事を集中的に学ぶ時間にしたうえで、後に留学して英語を学んだ方がいいんじゃないかと思うのです。

   英語をやる時間に数学やら国語やらを前倒しで勉強し、3か月くらい時間を作ってアメリカなりフィリピンなりに留学して英語を学ぶようなプログラム。過半数の日本人には英語は要らないというのは本当だと思うので、しっかり学ぶ人、学ばない人をハッキリ分けるべきだと思うのです。

   それ以上にやって欲しいことは、英語講師の留学です。

   英語学習における「ボールを握る」体験とは、英語で話をすることです。英語を使って生活をし、英語を使って何かを学び、英語を使って仕事をすること。少なくとも「英語を学びたい人」を教える教師は、この「ボールを握ったことがある」先生にして欲しいなと思います。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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