採用にあたって、「優秀な人材、即戦力を確保したい」と考える経営者や管理職の人は多いだろう。だからこそ、面接に臨む人々は「自分には何ができるか、いかに仕事で使えるか」をアピールするものだ。
ところが、そのアピールが全く功を奏さない場合があるらしい。「優秀な人はわざと採用しない」、こんなことを考えている採用担当者が、それも少なからずいるというのだ。
「自己利益を追求するタイプ」が面接を担当すると・・・
「ダイヤモンド・オンライン」に2014年10月15日、「優秀な人材がことごとく不採用になるのはなぜだ?組織を衰弱させる『ブラック人事マン』の邪悪な出世欲」という見出しの記事が公開され、話題となった。
「日本の大手金融会社の人事で、10年以上仕事をしていた女性」が新卒採用チームで一緒になった、若手管理職A氏に関する話が紹介されている。
A氏は、将来の幹部候補と言われる優秀な社員だったが、面接でチームの多くの人が優秀だと判断した学生を極端に低く評価していた。理由を聞くと「うちの社風には合わない」などと答えたという。
面接の後、女性は社内の噂話から、A氏が「自分の出世のライバルになりそうな人物を、ことごとく貶めていた」ことを知った。A氏と同じ部署で優秀な人がどんどん辞めていき、さらに同期で自分同様「将来の幹部候補」と言われている社員のことも、ささいな悪いことを大げさに上司に報告していたとも耳にした。
記事では「彼は確信的にやっている。自分の能力を、組織のためにではなく、自分のためにのみ使う。組織のためには良くないとわかっていても、自己利益を追求するタイプだ」と指摘している。
本当の採用の基準は「洗脳しやすいか否か」!?
この記事に対し、ネット上では「怖っ!」「やばいと思った」など驚きの声も上がったが、「こういうの聞いたことがある」「昔からある話」「そこらへんじゅうにいるタイプ・・・」とも書き込まれていて、そんなに珍しくもない例らしい。
A氏のように「私利私欲のため優秀な人を落とす」という極端な話ではないが、ブロガー・日野瑛太郎さんの「脱社畜ブログ」にも13年12月、「企業が欲しいのは優秀な人よりも洗脳しやすい人」という記事が掲載されていた。
「企業がその人を自分のところの社風に『洗脳しやすい』と判断されれば採用されることになる。研修なり、職場の空気なりを使って、最終的に『会社の人間』に仕上げられるならそれでもいいからだ。逆にどんなに優秀な人であっても、我が強くて染めようがないというのであれば、採用は見送られることになる」
これらを踏まえた上で、もしポジティブな結論を出すならば、面接で落とされても「自分がダメだったんだ」「自分より他の人の方が優秀なんだ」などとショックを受ける必要はなさそうだ。(MM)