「まともな彼氏」を紹介して納得させる
過干渉な母親に反抗するかのように、Tさんは、合コンや出会い系サイトで知り合った異性と、派手に遊ぶ日々が続きました。が、本来は真面目な性格です。母親と同じ公務員になるべく勉強し、教員免許も取得しました。
「ここまでやってるし、母親からの1時間おきの電話にも、一応、出ている。これ以上、不満はないでしょう」という思いだったといいます。公務員試験には落ちてしまいましたが、自宅から通える中高一貫校の非常勤講師として、採用が決まりました。
「本当は、どこかで母親から離れたいと思っていた」Tさんが、それを行動に移したのは、結婚がきっかけです。大学4年の頃、出会った彼氏は、文具メーカーの営業職。社会人1年目で地方勤務になり、遠距離恋愛が始まりました。「この人なら、お母さんも納得するだろう」と思っていたTさんは、彼を母親に紹介した上で、「転勤についていく」と宣言します。当然、母親は動揺しましたが、Tさんは説得します。
「今まで付き合ってきた、どの彼氏よりも、今の彼が『まとも』でしょ?お母さんも、『この人なら安心だわ』って言ったよね?だったら、『どこに住むか』くらい、彼に合わせたっていいじゃない!いつまでも独身で、親元にいるわけにはいかないんだから!」
異性との関係を厳しくチェックしていた母親に、「まともな彼氏」を紹介して納得させた上で、結婚して地方に移り住む。Tさんは、「結婚しても働き続ける」と約束し、なんとか母親の支配下から逃れたのです。今では彼の転勤先で、非常勤講師として働くTさん。物理的に離れたことで、母親との関係も少しだけ、冷静に見つめられるようになったそうです。(北条かや)