「カギっ子」という言葉を覚えているだろうか。学校から帰ってきた時に仕事などのため家に家族がおらず、自分で家の鍵を持って出かけている子どもを指す言葉だが、共働き夫婦が増え、そうした子どもも増加してきた現在、もはや死語のようになっている。
「親が帰ってくるまでのお留守番」が当たり前になりつつある中、「1人で留守番したことがある」小学生が約7割いるという調査結果が発表された。「ワーキングマザーも増えてきているし、致し方ない」ととらえるか、それとも、子どもを狙った悪質な犯罪も目立っている今、「こんなに多いなんて危険すぎる」のだろうか。
留守番させた経験、「ある」が7割超
アイ・オー・データ機器は2014年10月16日、小学生の子どもを持つ25~49歳の母親500人に対して9月に行った、「育児に関する意識調査」の結果を発表した。
「ご自宅にお子さんを一人で留守番をさせたことがありますか」という質問に対し、「留守番をさせたことがある」と回答したのは64.6%、「留守番をさせている」が9.4%。留守番の経験がある小学生は74%いることがわかった。
留守番をさせたことがあると回答した人に「1日何時間、お子さんに留守番をさせていますか」と聞くと、「1時間以内」が61.1%で最多だったが、「2時間以内」が20.5%、「3時間以内」は9.7%、「4時間以内」は3.5%、「5時間以内」は3.3%、「6時間以上」が1.9%と、留守番が長時間にわたるケースもあることが明らかになった。
また、「週に何回、お子さんに留守番をさせていますか」という質問を「働くママ」「専業主婦」別に集計すると、どちらも「週1~2日程度」が最多(働くママ32.2%、専業主婦30.5%)だったが、「週3~4日程度」が専業主婦3.3%に対し働くママ10.2%。「週5~6日程度」が専業主婦1.6%に対し働くママ11.7%と、日が増えるごとに両者の開きが増していることがわかった。「毎日」と答えた人も、専業主婦で1.1%、働くママで3.2%いた。
一方、「育児で心配していることは?」という質問では、「子どもを一人にさせる」が専業主婦で38.4%、働くママで45.6%。「子どもとの時間が不足」が専業主婦で16.0%、働くママで28.8%という結果だった。特に働くママはやむを得ず留守番をさせているが、忍びないと思っている人が多いようだ。
「ちゃんとしつけをしていれば大丈夫」の声も
この結果に対し、ツイッターでは「親が5時までフルタイムで普通に働いてたら週5日普通に留守番だろw」と「当たり前だ」とする意見もあるが、「今はぶっそうだからな~」「犯罪への加担ニュース記事やな」など不安視する声も上がっている。
一番心配しているのはもちろん、実際に子どもに留守番をさせている親だ。これまで多くのQ&Aサイトに、「小学生を一人で留守番させられますか?何年生から?」(Yahoo!知恵袋)、「小学校2年生の女の子を一人で留守番」(教えて!goo)、「小学3年生のお留守番は普通ですか?」(読売サイト発言小町)と、留守番に対する不安が読み取れる質問や相談が投稿されている。
ただ回答には「小さい子の留守番なんてありえない!」というようなものは見当たらず、「1年生の子も短時間なら留守番させてます」「ちゃんとしつけをしていれば大丈夫」「いつまでも親子がベッタリしているわけには行かないし」など、特に2人以上の育児を経験した人からはあまり心配しすぎていない声が多く見受けられた。また、「電話やインターホンには出ないなど約束を決める」「ガスの元栓は閉めておく」など、対策をアドバイスする人もいた。
セコムが運営するサイト「子どもの安全ブログ」では、留守番をさせる時は「だれが来てもドアを開けない」「あらかじめ決めた電話以外には出ない」「火は使わない」「なにかあったらお母さん(お父さん)に電話する」「困ったときは○○さんの家に行く」というルールを子どもに提示し、さらに家中の戸締まりをする、ライターやマッチを子どもの手の届かないところにしまう、バスタブの水を抜くなど、危なそうな箇所は出かける前にキッチリ対策するようアドバイスしている。(MM)