トップの優秀さは人材育成においてはもろ刃の剣
デキすぎるトップは、尊敬の念は集めながらもややもすると遠い存在に感じられ、何事においてもかなわない存在だと、その指示で動くスタッフとの関係は絶望的なほど距離があるのではないでしょうか。優秀なトップが時折苦手な点や失敗を時折見せることで、スタッフにトップをフォローすると言う参加意識が生まれ、チームのまとまりや活性化と共にスタッフの成長にもつながることを実感したのです。
カリスマトップとスタッフの絶対的な実力差が部下育成を阻んでいるケースは、中小企業にもありがちな話でもあります。トップの優秀さは人材育成においてはもろ刃の剣になりうると、気がついていない人も多いのです。
「プライドの高いN社長だからね。上場までの間にそこの部分を、どう理解してもらったらいいのか難問だな」
私の話を聞いたOさんは、一層悩ましげでありました。(大関暁夫)