選考・説明会参加だけで交通費・宿泊費支給
内定者に対して車だの牛だのをプレゼントするくらいですから、選考参加学生もいい思いをしていました。
何しろ、選考はもちろんのこと、説明会でも参加すれば交通費が支給され、地方出身者には宿泊費まで支給されていたのです。
『就職ジャーナル』1990年12月号の夏目房之介さんコラム「社会の窓 90就職戦線」には、首都圏の学生(明治大?)とおぼしき学生の例が出ています。本命だったスーパーの本社にはセミナー、面接2回、誓約書提出の4回訪問。もらった交通費は合計3万5000円。それに誓約書提出後、「若手社員が赤坂のクラブに連れていってくれた」。
しかも、本命企業以外にもセミナーにちょこちょこ出ていたらしく、「交通費などの収入は計約15万円」。セミナー・選考を何社か掛け持ちで出ていれば、それくらいは浮くでしょう。そして地方学生に対してはホテルを用意する社、宿泊費を支給する社も相当数ありました。中には往復の交通費も。30万円どころか50万円以上、「儲かった」学生がいても不思議ではなかったのです。