残業が悪である本当の理由 「ブラック企業は生き残れない」パート2

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「どうせ残業するから、昼間は体力を温存しとこう...」と開き直る人も

   日本では、残業するのが当たり前の環境であり、誰しもそれが所与のものであると甘受しているようだ。改善しようとするどころか、「一人で先に帰りにくいし...」と遠慮がちに周囲に合わせてしまう人や、「どうせ夜は残業するんだから、それに備えて昼間は体力を温存しとこう...」と開き直る人までいるような状況である。

「率先して残業して、仕事を頑張ってるんだから、文句を言われる筋合いはない!」

と思われる方もいようが、残業の悪影響はもっと根本的なところに現れる。


   次に

(B)会社、組織、社員が抱える潜在的な問題が見えなくなってしまう

を見ていく。

   「残業が当たり前」の環境にドップリ浸かってしまうことによって、「短時間で仕事を効率よく処理するチカラを鍛え、発揮する機会」が潰されている、と言い換えることができるからだ。当然、仕事の生産性は確実に悪化する。

   あなたは、「時間内に仕事が終わらない原因」は何かと考えたことがあるだろうか。

   まず思いつくのは「仕事の絶対量が多いから」という答えかもしれないが、残念ながらそれではほぼ思考停止も同然だ。世の中には、あなたよりも大量の仕事を、あなたよりも少ない時間でこなしている人が確実に存在している。少し考えればそれ以外にも、次のような可能性が考えられるだろう。

「あなた自身の能力が不足しているから」
「仕事の進めかたにムダやムリがあるから」
「あなたのモチベーションが充分ではないから」
「仕事を進めていく上でのシステムや組織構成に欠陥があるから」......

   いずれも、早急に課題を発見し、解決のために手を打つことが喫緊に必要なことばかりだ。しかし、「残業すればいいや」とオフィスにダラダラ残るのが当たり前になっていると、どんな問題があろうとも最終的なソリューションは「長時間労働でなんとかする」だけになってしまう。そのままではあなた自身が疲弊するだけだし、残業の原因になっている根本的な問題を解決する機会さえも奪われ、結局いつまでも残業を続ける...という悪循環になってしまうのは目に見えている。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
姉妹サイト