前回コラム(「『ブラック企業はもはや生き残れない』理由」9月23日配信)に引き続き、テーマは「企業における男性の育児参加推進の必要性」。いずれも、「労働大学校」に招聘を頂き、先日研修した内容を中心にまとめたものだ。
先に示した大きな柱の4項目のうち、前回は「1:『ワーク・ライフ・バランス』への根強い誤解をとく」を取り上げた。今回は、「2:男性の育児参加を推進することのメリット」を掘り下げたい。
根強い「男性の育休取得」への疑問の声
「男性の育児参加」に対する、多くの事業主・人事労務担当者の意識はどのようなものか。
「ウチの会社、女性は実際に育休をとれてるし、法律違反もしてないから問題ないはずだ。ここからさらに『男性の育休取得』まで促す必要があるのか?」
といった声がまだまだ根強いのが現状である。
たしかに気持ちはわかるが、そもそも育休取得は男女ともに法的に認められている権利だ。社員から要望があればとらせなければいけないし、主力として活躍している社員が育休を取得したとしても、業務に何ら影響が及ばないような組織作り、人員配置が組織には求められるのである。