バイトの身ながら欧州に出張へ
実際その会社に話を聞きに行ってみると、元々いた社員はほとんど英語が話せず、新規で営業の外国人を雇ったもののコミュニケーションに苦労しているとのこと。そこで彼は、フィリピン英語留学で鍛えた英語力と、サムライカレープロジェクトで行った海外での業務経験の話をすると、いきなり面接が始まり、数日後には内定をもらってしまいました。
それだけに留まらず、「夏休みや文化祭期間中は暇だろ」と言われてバイトとして雇われ、先日はバイトの身ながら欧州に出張に行くことになりました。現地では展示会で自社キャラクターグッズ付きのチラシを(当然外国人の)お客様に配り、ブースに連れてきて、自社製品の魅力について話をするという業務をやっていたとのことです。
「サムライカレーで、路上でカンボジア人の人たちにカレーパンを売る経験をしてたので、全然難しくありませんでした。英語で話すとか、外国人に声をかけるとかに恐怖心がなくなったのが、こんな所で役に立つとは思いませんでした」
最近、若者の間で「どんどん海外に出たい」という人と「絶対に出たくない」という人が二分化しているということを大学関係者の方々からよく聞きます。「出たくない」という人が多いからこそ「出たい」と思う人には有利な状況です。とはいえ、「どんどん海外に出たい」と思っている人の層には優秀な人が多いという問題があります。
そこで、「普通の実力」かつ「どんどん海外に出たい」という人は、エリートが来ない場所を探して、そこで活躍すればいいのです。
こうやって、自分が持っているもので勝てる場所を探して、価値を最大化するというのは、実は、企業のマーケティング戦略と通じるところもあります。
「就活」は自分が一番活かせる場所を探し出して、そこに自分を売り込むことなのです。(森山たつを)
(※本文でご紹介した方の経歴は、実在の方と一部変更してあります)