「朝5時起き」で頑張る「ワーキングマザー賞賛」への違和感

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「読むだけでしんどくなってくる」といった反応も

   少し前になりますが、ニュースサイト、日経ウーマンオンラインの「仕事も子育ても充実!ハッピー★ワーキングママの共通点 仕事も子育ても思い切り楽しむヒント」(2013年1月10日配信)という記事が、ネットで話題になりました。

   記事では、「忙しいにもかかわらず、とても幸せそう」なワーキングマザーたちを紹介しています。登場する母親たちには、「早起き」、「すき間時間の活用が上手」、「自らのスキルアップを欠かさない」、「夫や職場に、子育てへの理解がある」、「家族の時間を大切にしている」という共通点があり、中には「毎朝3時30分(!)に起きて、夕食の仕込みまで済ませている」という人も。

   一部の事例を紹介したものとはいえ、ツイッターなどでは、「読むだけでしんどくなってくる」とか、「こんなの、ハッピーというより『超人』じゃないか」といった反応もありました。確かに、1日中フル稼働で「ハッピー」なワーキングマザーたちこそ「理想」と持ち上げるだけでは、「私の生活は、理想とは程遠い」と感じてしまう人もいるでしょう。

   共働きであれば、家事もシェアすべきだと思いますが、現状では、母親に苦労がかたよるケースが多いようです。そうした問題に焦点を当てると、「私には両立なんて、とても無理だ」という若い女子が増えてしまうので、「理想のハッピー両立ライフ」イメージばかりが溢れているのかも......と、勘ぐりたくなるほどです。仕事と家庭の両立に、「理想」なんてない、と割り切りたいところですが、そうもいかないのが「現実」なのでしょうか。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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