大学で「留年」は死語になりつつある なぜなら・・・

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「9セメスターで卒業」に失敗した理由

   そういえば、こんなリケダンもいたなぁ。何とか就職も決めて、卒業論文も完成させた9セメスター目。彼と交わした会話は、こんな感じだった。

「正社員で採用も決まったし、卒論も完成したし、長い人生だから半年ぐらい遅れたってどうってことないぞ」

「...まあ、そうかもしれませんが、あと半年、お世話になることになりました」と軽く涙目

「えっ、卒論発表会も無事済んだじゃないか?先生方も感心してたぞ、あいつも、やればできるじゃないかって」

「...講義の単位を落としてしまったので、1科目足りなくて...」

「えっ、このセメスターで卒論以外に必要なのは1科目だけだったじゃない。その気になったら10科目ぐらい履修できるから...」
「1科目で2単位分しか履修していませんでした。すべてをその科目に賭けていたのですが...」

   そんなギリギリの勝負をしてスリルを味合う事はないと思うのだが。それに1科目履修してビシッと単位が取れるのなら9セメスターでまで引っ張らなっかただろうに。

   就職も一旦全てリセットになったが、何とか別の会社から内定をもらって、さらに半年遅れて卒業していった。まあ、10セメスター目では5科目ぐらい履修させたけどね。結局5年かかっての卒業なので、1年留年したのといっしょ。彼にとっては、セメスターは意味をなさなかったようで......(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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