ルール化、マニュアル化、IT化
こうして考えると、今G社の現場で起きている問題は、実はS部長の問題ではなく社長の問題なのだと思いました。50人規模になった会社には、ルーチンワークの仕組み化が必要です。大企業がそうであるように、ルーチンワークと定型外の企画を伴う業務をしっかりと分けて、ルーチンワークは効率性を重視して誰が担当しても無駄なく抜けなくできるようにしなくてはいけないのです。
仕組み化とは、具体的にはルール化、マニュアル化、IT化等を指します。どれも時間と労力とコストを要する作業であり、必要性に実感のない創業社長にその投資価値を理解してもらうのはなかなか難しい。S部長の話を受けて、すぐさまT社長に企業を成長軌道に乗せるためにも人をはりカネをかけてでも今仕組み化に取り組むべきと進言しましたが、いい返事は得られませんでした。
「マニュアルなんか作ったら組織がギスギスしてしまうからいらんし、業績横ばいの今、それをやるために利益を生まない人を雇うのは無駄。IT化?そんなものはもっともっと儲かってからの話だよ」
もっともっと儲けるためにもマニュアル化、IT化という仕組み化が今必要なんですけどね、社長。(大関暁夫)