「部長、あなたの責任だ!」と吼える社長自身の「責任」

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規模の問題と管理手法の変更がひとつのターニングポイント

「私は決して手抜きはしてません。ただ、店舗が少ない時代には各店それぞれの細かいところまで目が行き届いたのですが、店舗が増えて組織が大きくなると全てをしっかり管理するのは難しい、というより無理だと思います。社長は社長の立場で指示を出すだけなので分かってないと思いますが、店舗や人員が増えた分、従来通りに皆を管理するのは大変なことなんです...」

   管理スパンが広がる中でいつまでも同じ管理方法をとっていたら、管理が甘くなるのは当たり前のお話です。同じ中小企業でも社長が直接現場管理を担当している場合は、店舗や人員の増加に伴って自分ひとりでは管理しきれなくなってきたことにどこかで気づくもの。一般的には社員20~30人規模までは社長ひとりの直接管理でなんとかなるものですが、それ以上になると自分の管理能力の限界を超えたと実感するのです。

   成長軌道に乗せるための組織運営においては、この規模の問題と管理手法の変更がひとつのターニングポイントなのです。上手に管理方法を変えていかないと、会社はそれ以上大きくなることができません。創業後、倍々ゲームの急成長で伸びていた会社が、突然その勢いが止まることがありますが、そんな会社をよくよく調べてみると、組織内の管理がズタズタで非効率や意思疎通障害等が横行していたというケースは非常に多いです。

   G社の場合は創業時から社長はもっぱら事業企画や仕入折衝に専念し、現場管理は社長の「右腕」S部長が一手に引き受けてきました。そのため、社長には本社の管理スパンの広がりによる創業来の管理方式に限界が迎えているという実感がなかったのでしょう。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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