先月、ベトナムでいくつかの人材会社の方々と話をしてきました。
ベトナムは、この数年経済成長真っ盛りで、日本人を含む求人案件が非常に増えており、人材会社の業績はうなぎ登りのようです。
そして、人材会社はベトナム国内向けの人材紹介だけではなく、新たなビジネスも始めていました。それが、日本向けのベトナム人の紹介です。
ベトナム人のIT技術者を日本企業に紹介
ベトナムは、他の東南アジア諸国と比べると非常に真面目な人が多く、特にIT技術者に優秀な人材が多いです。元々IT技術者はインド人、中国人などが多いのですが、最近はベトナム人も増えているのです。
また、「日本語を話せれば、日系の会社に勤めて高い給料をもらえる」ということもあり、日本語が話せる人も増えています。
そこで、人材会社は、ベトナム人のIT技術者を日本にある日本企業に紹介しているのです。
実は、私は2年以上前からベトナム人のデザイナーの方に仕事を依頼しています。彼女は日本語検定1級を持っているだけでなく、漢字検定2級までもっています(ついでに日商簿記3級まで持っています)。
彼女とのメールのやり取りは、外国人とやり取りをしているのを忘れるくらい綺麗な日本語であり、敬語もしっかり使えています(多くの日本人大学生の方が、よっぽど怪しい敬語です)。詳細まで説明しなくても、先回りして仕事をこなしてくれるので、やり取りもスムーズです。
そんな優秀な人が、大学生のバイトよりも遙かに安い料金で仕事をしてくれるのです。
では、彼女のようなベトナム人が日本にたくさんきたら、すぐに日本人のIT技術者が駆逐されてしまうんでしょうか?私はそうは思いません。
海外就職という選択肢に可能性を感じている理由
日本人は、日本語を始めとする言葉に異様に厳しく、ちょっとの間違いをノイズに感じます(ブロークンな日本語を聞いた経験が少ないからでしょう)。
また、出社時間に厳しく退社時間にゆるい独特のビジネス慣習や、空気読みなどのスキル、様々なものがベトナムでの仕事と違います。多くのベトナム人は、そこに混乱し、100%の能力を発揮できない場合が多いでしょう。
そこで、そんなベトナム人の技術者に100%の力を出してもらうよう現場を調整するマネージャが大切になります。日本の会社の仕事の仕方を教えてあげたり、彼らの言い分を聞いて日本人の上司に伝えてあげたり。ベトナム人にも分かりやすい仕様書の書き方のテンプレートを作ったり、彼らに伝わりにくい「日本の常識」を解説してあげたり。
元々のポテンシャルが高い技術者ですから、環境を整えるだけで成果は一気に跳ね上がります。
従って、会社はそんなマネージャを非常に重要視するのです。
海外の優秀な(もしくは普通の)労働者を活用するという流れは止まることはないでしょう。そんな世の中の流れを考えれば、外国人労働者のマネージャという仕事は「登りエスカレーター」であると言えます。
私が、海外で就職するという選択肢に可能性を感じている理由の一つがこれなのです。
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