形だけのタイムカード打刻、その後も仕事  「本当の残業代」を手にする方法はありますか?

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出勤時・退勤時、会社のパソコンから家庭のパソコンにメールを

   ではどうしたらいいか。このような会社に勤めている方は、毎日の労働時間を自分で証拠として残しておきましょう。比較的簡単な例としては、出勤時・退勤時に会社のパソコンからご家庭のパソコンにメールを送ることです。メールの履歴を証拠として提出すれば、出勤時・退勤時のメールの時刻まで会社にいたことを証明できます。

   ご自身で証拠を残すことをしていなかった場合でもあきらめてはいけません。会社の出入口にセキュリティーゲートがあるような会社であれば、そのゲートの通過時間も労働時間を証明するのに有用です。今回のケースであれば執務室の入退室にカードキーを使用しているようなので、その入退室時間の履歴を会社に開示してもらえば労働時間を証明することができそうです。

   しかし、各個人の過去のゲートの通過時間などの情報は会社が管理・保管しているため、会社にデータを開示してもらう必要がありますね。会社が任意で開示しない場合は、裁判所に対して文書提出命令の申し立てを検討する必要があります。

   在職中に会社に対して残業代を請求することは躊躇されがちですが、残業代は2年で時効消滅してしまいます。時間が経過すると過去の残業代が法律上請求できなくなってしまうので、早期に対応することをおすすめします。(文責:「フクロウを飼う」弁護士 岩沙好幸)

   ポイントをまとめると、

1:実際の労働時間と異なるタイムカードが作成されている場合、タイムカードを超える残業代の請求は難しい
2:しかし、実際の労働時間を別の証拠で証明できれば、残業代をもらえる可能性がある
岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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