就活ナビの赤裸々な実態 「昔はよかった」と嘆く理由

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どう考えても採用担当者側が有利な状況

   当然ながら首都圏、関西圏の企業はよほど母さんナビと付き合いのある社でもない限りは、父さんナビなど無料とする社に乗り換えます。

   頭を抱えた母さんナビは「夏までは無料」「秋以降は今年の就活後ろ倒しの混乱に対応するために、秋冬インターンシップを実施する必要がある。そのためにインターンシップサイトへの広告出稿をぜひ(お金は払ってね)」と打ち出します。

   が、これも「だってさあ、父さんナビも姉さんナビも3月までタダでしょ」と言われては返す言葉もありません。結局、首都圏でも関西圏でも3月まで無料となる社が相次いだそうです。

   せめて地方の企業からはしっかり取ろう、ということで「秋以降は有料」との方針を守ろうとしました。

   しかし、最近の採用担当者はやたらと熱心、採用担当者同士で勉強会を開いています。単なる飲み会(愚痴の言い合い大会とも)に終わる会もありますが、ナビの情報もしっかり交換する会もあります。こういう会に参加する企業の採用担当者は首都圏・関西圏のめぼしい企業が「3月まで無料」との情報を得ています。10月現在ではまだ値段交渉をしている企業も多いようですが、どう考えても採用担当者側が有利。

   かくて、就職情報会社の営業マン、特に母さんナビの営業マンは「昔は良かった」と嘆くわけです。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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