「メールは即レス」
全社をあげて、「先延ばしグセ」を改めようとする企業もある。大手ポータルサイト、ヤフー(本社・東京)だ。日本経済新聞の記事、「ヤフー副社長が明かす、社員を『爆速』にする方法」(2014年9月6日配信)によると、同社では2年前から「爆速」のスローガンを掲げ、社員の意識改革を図っている。
改革にあたって、ヤフーでは、目標の達成度合いを測る「KPI(重要業績評価指標)」の仕組みを、大きく変えたという。今までは、サイトの閲覧回数を表す「PV(ページビュー)」を四半期単位で評価していたのを、「1日単位」で評価するようにしたそうだ。副社長の川邊健太郎氏は、「KPIが1か月単位だと、『1か月の間に何とかしよう......』と、夏休みの宿題にも似た状態に陥ってしまう」と語る。これが1日単位になれば、毎日15時頃には、「今日の目標を達成するために何とかしなくては」と考えるようになり、「仕事にスピードとリズムが生まれる」。確かに、1日単位で目標を設定すれば、「先延ばし」はできなくなるだろう。
川邊氏自身も、「爆速」たるために、メールの「即レス」を心がけているという。いわく、ソフトバンクの孫正義社長は、ヤフーの前社長に井上雅博氏を選んだ際、その理由を、「あいつが一番メールの返事が早いから」と言ったそうだ。孫氏自身も、メールの返事が「ものすごく早い」とか。やはり、ずば抜けて仕事ができる人は、「先延ばし」とは無縁なのかもしれない。(KH)