「卒業後の進路はどのように考えていますか?」
「役所に入って、学んだ知識・技術を活かして人々の役に立つようなインフラの整備をしたいと思っています」
「企業の技術者として良い製品を開発し、世界を相手に商売をして国を豊かにしたいと思っています」
最近の若者も捨てたものではない。ただ、惜しむらくはこういう大志を話してくれるのは「留学生」ばかりということだが。
主にアジア圏から
私の学科にも毎年数名の留学生が入学してくる。主にアジア圏から来る。残念ながら欧米からの留学生は皆無である。まあ、「日本を研究する」目的か、「アニメ好き」ででもなければあえて日本に留学する必要はないのかもしれない。正直に言うと、アジア圏からも日本より米国などへの留学の方が人気が高かったりする。住むだけでも「英会話」の勉強にはなるし。
私の大学に来る留学生は、その国のエリートばかりである。根本的に物価が違うので私費で留学は難しく、自国の政府からの奨学金や日本の国費外国人留学生制度を利用している。つまり、厳しい選考をくぐり抜けて「日本への留学」という栄誉を勝ち取ったのである。おそらく、自国も高度成長期を彷彿させる状態で多いに伸びしろがあるのであろう。とういわけで、冒頭の卒業後の希望も「さもありなん」かもしれない。
皆、最低でも義務教育で3年は学んでいるはずなのだが、シャイな国民性の影響か、日本は英語が通じない国である。私も高校生の頃、「post?? post??」と連呼しながら身振り、手振り交じりで外国人に道を聞かれた。突然の事に舞い上がった私は、50メートルほど先の郵便局を指さしながら「あっち、あっち」と。その外国人、指差した方を見ながら「OK!! OK!! Thank you.」と言って、郵便局の隣の「銀行」に入っていった。当時は外国人なんてめったに見ない田舎のうぶな高校生だったもので。この場を借りて謝っておこう「ゴメンナサイ」。