先日、この欄で「早婚、出産、その後にキャリアも追求! 20代女子の未来予想図」(2014年7月18日配信)というコラムを書いたところ、さまざまなご意見を頂きました。
女子の出産とキャリアには、はっきりした正解がないからそ、「早婚女子という生き方」を紹介した私の記事にも、賛否両論があるのだろうな、と思います。今回は、そんな皆様のご意見を紹介した上で、改めて、「早婚女子」について考えてみます。
世代で意見が分かれる?
20代のうちに子供を産み、かつ、その後のキャリアも諦めない「早婚女子」たち。コラムでは、大手新聞社に入社後、わずか半年で、同期男子と「できちゃった婚」をし、「子供は予想外だったけど、仕事をやめようとは思わない」と、働き続けるI子さん(28歳)の例などを紹介しました。共働きでの両立ライフは、大変ではあるものの、何とか日々を乗り切っているのです。
彼女のような「早婚女子」に対し、現在40~50代くらいの男性たちは、「アリじゃない?」との意見が多いようです。特に、50代以上の男性は、これまで「夫は仕事、妻は家庭」という役割分担でやってきた人が多いもの。若くして子供を産む女性の、「母としての使命感」に共感する部分もあるかもしれません。仕事に、育児に奮闘する早婚女子たちを、「年長世代として応援したい」という人もいました。
一方、若い世代の男性には、20代で子を産んだ妻を支えるために、「男は社畜になって働けってこと?」との思いもあるようです。共働きが当たり前で、女性にも収入を期待したい若年層の男性たち。彼らは、「早婚女子」に寄りかかられても困るのかもしれません。その気持ちは、とてもよく理解できます。ただ、「早婚女子」たちの夫の中には、『社畜』的な働き方を見直し、夫婦で話し合って対等な関係を実現できている人も、結構います。というか、最初から共働きが前提なので、互いに「ワークライフバランス」を意識せざるを得ないのですね。「男は一生、社畜しかない」という考えもまた、息苦しいものだなぁ、とも思うのです。
「両立はそんなに甘くない」
すでに出産を終えた女性からは、次のようなコメントを頂きました。「早婚女子の両立ライフって、育児をサポートしてくれる祖父母など、周囲の協力ありきの話じゃないんですか?」「『早くに産め』と、他人からコントロールされるのって、女性にとって、あまりいい気はしないと思う」。
確かに、「早く子供を産みなさい」という押し付けは、他人に自分の人生をコントロールされているようで、嫌なものです。ただ、私は「女子の皆さん、早く出産しましょう」とは言っていません。あくまで、こういう事例もありますよ、という立場です。「早く産みたい女性たちをサポートすること」の重要性を考えることと、早婚や出産を押し付けることとは、まったく別問題だと考えています。日経新聞は、2014年8月18日付からの「ウェルカム赤ちゃん」と題した5回シリーズのなかで、早婚女子の出産にも焦点を当てており、「サポート」の重要性を指摘していました。
もちろん、家族の支援なしに、彼女たちのキャリアは成立しませんし、それができるのは多くの場合、一部の恵まれた層だけかもしれません。ただ、いくら恵まれていても、早婚女子たちの苦労は相当なものです。保育所探しに始まり、親に手伝ってもらってようやく成り立つ両立ライフの徒労感。一方で、このようにドロドロした側面ばかり論じるのは、「やはり違う」とも感じました。
「両立以外の道がないから必死だけど、やっぱり産んで良かった。子育てを通して、夫との絆も深まったよ」と語る早婚女子も、私の周りにはたくさんいます。夫婦で苦労を分かち合う関係性ができていれば、早婚女子はきっと、納得のいくキャリアを積むことができる。「早く産みたいし、仕事もしたい」という女子がいるとすれば、それを叶えられる社会が理想だと思うのですが、いかがでしょうか。(北条かや)