現状こそソニーの本当の姿

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終身雇用は「組織を変えないための仕組み」

   勘違いしている人が多いが、年功序列(とその結果としての終身雇用)制度というのは、組織が変わらないようにするためのシステムだ。10年、20年と働き続けた人を上の役職に就けることで、ベテランのノウハウを組織内に蓄積していくわけだ。


   だから筆者は「ソニーはなぜ変われないのだろう」なんて疑問は一度も抱いたことが無くて、むしろ下方修正のたびに「お、ソニーの人事制度はなかなかよく機能してるな」くらいに眺めていた。だって、そのための終身雇用制度なんだから、ちゃんと当初の設計通りに機能しているだけのことだ。


   そういう意味では、先月、正式に「年功給を廃止し、職務給に一本化します」というリリースを出したということは、いよいよソニーが本気で改革する腹をくくったということだ。それが間に合うかどうかは別にしても、進むべき方向性としては正しいだろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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