終身雇用は「組織を変えないための仕組み」
勘違いしている人が多いが、年功序列(とその結果としての終身雇用)制度というのは、組織が変わらないようにするためのシステムだ。10年、20年と働き続けた人を上の役職に就けることで、ベテランのノウハウを組織内に蓄積していくわけだ。
だから筆者は「ソニーはなぜ変われないのだろう」なんて疑問は一度も抱いたことが無くて、むしろ下方修正のたびに「お、ソニーの人事制度はなかなかよく機能してるな」くらいに眺めていた。だって、そのための終身雇用制度なんだから、ちゃんと当初の設計通りに機能しているだけのことだ。
そういう意味では、先月、正式に「年功給を廃止し、職務給に一本化します」というリリースを出したということは、いよいよソニーが本気で改革する腹をくくったということだ。それが間に合うかどうかは別にしても、進むべき方向性としては正しいだろう。(城繁幸)