ビジネスシーンでは、基本的に敬語で話すのがマナー。だが、親しくなるにつれて、フランクな言葉遣いが許される場面もある。そんな時、つい、いつもの口癖が出て、相手をイラッとさせてしまってはいないだろうか。
話し方ひとつで人間性が垣間見え、評価に響いてくる可能性もあるようだ。どんな口癖が「NG」なのか。
「ムカつく話し始めのフレーズ」、1位は「ていうか」
ニュースサイト「しらべぇ」が、全国に住む20~60代の男女500人を対象に「ムカつく話し始めのフレーズ」を尋ねたところ、1位は「ていうか」で38.6%、2位は「ぶっちゃけ」(26.4%)、3位は「逆に」(13.6%)だった(2014年9月3日公開、方法はウェブアンケート)。
記事によると、1位を獲得した「ていうか」には、それまでのすべてのコミュニケーションを無化し、文脈や話題まで変える「破壊力」があるという。確かに、「ていうか」は使いやすい。そのワケは、それまで相手が何を話していようが、こちらの文脈に持ち込める『便利さ』にあったのだ。その利便性に甘えて多用すれば、相手をモヤモヤさせてしまう。3位の「逆に」も、「ていうか」と同様に「文脈を変える力」があり、使いようによっては相手をイラつかせる可能性がある。
ツイッターでは記事に対し、「『ていうか』はイラっときてしまうなぁ。いや勝手に話を切り上げんなよ、と」「どれも人の話を聞かない人が使いそうなイメージ」などの共感がつぶやかれた。一方で、「『ていうか』『逆に』、口癖になってる」「気をつけよう」など、危機感を覚えた人もいるようだ。
「『D』言葉」で出世が遠のく?
ビジネスでは、話し方ひとつで「出世」に影響することもあるようだ。総合情報サイト、All Aboutに掲載された、藤田尚弓氏によるコラム、「知らないうちに使っている!出世が遠ざかる『D』言葉」(2014年8月17日更新)によると、仕事ぶりは普通でも、アピール力があったり、普段の言動で仕事ができるように見えたりする人は、評価が高くなる。その逆もしかりで、普通に仕事をしているのに、話し方ひとつで評価が下がる場合もあるのだ。
藤田氏が、「どんな職場でも避けたい言葉」として挙げるのが、「『D』言葉」。頭文字が「だぢづでど」で始まるネガティブな言葉のことで、「だって」「だったら」「だけど」「でも」「ですから」「どうせ」などを指す。いずれも、後ろ向きで、相手を否定するニュアンスがある。これらの言葉を、一度も使ったことがない人はいないだろう。ただ、ビジネスシーンで、「だって」「でも」「どうせ」を連発すれば、仕事ぶりまで後ろ向きだと思われてしまいそうだ。ネットでは、「『でも』っていう、すぐ言い訳しようとする話し方が凄く嫌い」との書き込みも見られた。言葉遣いから、「言い訳がましさ」やズルさが伝わってしまうようだ。
何気なく使っている口癖が、周囲に与える影響は、思った以上に大きい。冒頭の、「ムカつく話し始めのフレーズ」に対しては、「こういうフレーズって、友達同士だとあまりイラつかない気がする。会社での人間関係だとイラつくのかなあ」との意見もあった。ビジネスでの言葉遣いは、特に「親しき仲にも礼儀あり」なのだ。(KH)