仕事を辞める理由は、人それぞれ。給与に不満があった、人間関係がうまくいかない、スキルアップのためなど、様々な思惑があることだろう。が、会社に退職の意思を伝える際、「本当の理由」を伝える人は、それほど多くないようだ。
求人情報サービスのエン・ジャパン(本社・東京)が、自社サイトのユーザー5000人を対象に、会社(人事)に伝えた退職理由がホンネとは異なるか聞いたところ、「はい」が45%、「いいえ」が55%だった(2013 年8月7日公表)。約半数の人は、会社に本当の退職理由を伝えていないことになる。退職を決めた時、最初に報告をした相手は、約7割が「上司」。上司に退職理由を伝える際、すでに「タテマエ」を用意していたという人が、それなりに多いと分かる。
「ホンネと違う退職理由」を伝えた人は45%
ちなみに、会社に伝えた退職理由(単一回答)の1位は、「家庭の事情」(32%)、2位「仕事内容」(25%)、3位「体調」「その他」がそれぞれ11%だった。一方、本当の退職理由(=ホンネ)の1位は、「人間関係」(26%)、2位「社風や風土」(18%)、3位「仕事内容」(16%)となっており、「会社に伝えた理由」(=タテマエ)とは、かなり違う。タテマエの理由でトップだった「家庭の事情」は3%にすぎず、「人間関係」と「社風や風土」が合計4割以上を占めている。
確かに、「家庭の事情で......」と言えば、上司といえども引き止めづらい。プライベートな問題なので、それ以上詮索されることもないだろう。退職届では、しばしば「一身上の都合により」という書き方をするが、これも、どこかプライベートな側面を匂わせて、円満退社に持ち込む上手い表現かもしれない。