労働者のパラダイス? カンボジアの「祝日・長期休暇」事情とは

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   この記事が公開される予定の9月23日は、日本は秋分の日でお休みですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

   「日本は有給休暇が取りにくいかわりに、国民の祝日が多い」と言われています。

   これって、本当なのでしょうか?今回は、アジア各国の祝日についてお伝えします。

日本は「多い方」

今日は祝日、お休みです
今日は祝日、お休みです

   日本の国民の祝日は15日。振替休日は別計算です。

   世界の多くの国が8-12日なのでかなり多い方だと言えます。

   たとえば、2014年9月11日の発表資料「年間祝祭日数世界ランキング」(マーサージャパン、調査対象64か国)によると、日本より多いのは、コロンビアとインドの18日、など。月の稼働日を20日とすると、年に1か月弱が休みという計算になりますね。

   しかし、これよりもさらに多い国が、カンボジア。

   私は、カンボジアでサムライカレーという研修プログラムを運営しているのですが、体感として、日本よりも休日が多いとは感じていました(ちなみに、9月23日も休日です。しかも3連休の中日)。そこで、カレンダーを見ながら数えてみたところ、公式の祝日だけで26日もあります。圧倒的です。

   なぜこんなに休みが多いのかを調べてみると、国王関係の休みが多いことが上げられます。

   日本でも天皇誕生日および昭和の日(昭和天皇の誕生日にあたる)は祝日です。しかし、カンボジアでは、前国王の命日、前王妃の誕生日、現国王の即位の日が祝日で、さらに、現国王の誕生日は前後の日も含め3連休になっています。

「労働者泣かせ」の国と、「経営者泣かせ」の国とは

   さらに、この祝日に入っていない正月の三が日や中華正月まで休みなので、実際の休日は30日を越えているはずです。

   1月は正月で長期休暇。2月は中華正月で長期休暇。4月はカンボジア正月で長期休暇。5月は国王の誕生日で三連休。9月はお盆で長期休暇。11月は水祭りで長期休暇。12月はクリスマスと年末で長期休暇。労働者からしてみるとパラダイスですね。

   企業側からすると、さすがにこれではやってられないからか、カンボジアではまだ週休二日になっていないところが多く、土曜日は半日出勤という昭和の制度が続いています。サムライカレーでも、カンボジア正月やお盆以外に関しては出勤という契約にしたり、給料を時給制にしたりと、あの手この手で対応しています。

   このように、カンボジアは特別としても、タイ(16日)マレーシア(14日)など、アジアには祝日が多い国が多いです。その中の例外がベトナム。この国はテトと呼ばれるベトナム正月の1週間以外は、祝日が5日しかありません。しかも、5月1日のメーデーを過ぎると、翌年の1月1日まで、祝日は9月2日の独立記念日1日だけ。8か月で1日ですよ!これはなかなかの労働者泣かせの国です。

   そして、私が感じる一番の経営者泣かせの国はフィリピン。なにせ、いきなり政府から「2週間後のX月X日は国民の祝日になりました」とかいって、祝日が増えてしまうのです。いろんな計画狂いまくり。だから、物事が期限通りに進まないんですね。

   このように、祝日ひとつとってもキャラが立ちまくっているアジア各国。大変ですが、実に面白いのでぜひ皆さん体験してみてください。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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