3年生3月は「史上初・経済団体の判断分裂」
企業規模としては中小ないしベンチャー企業。それから、業界としてはIT業界中心の企業が選考を実施しそうなのがこの3年生3月。
ポイントは冒頭でご紹介した「経団連無視」の新経済連盟です。
楽天は日本経団連に一度加盟ののち、脱退。同社(会長兼社長)が代表理事となり立ち上げた経済団体が新経済連盟です。
日本経団連の加盟企業は約1300社、それに対して新経済連盟は約700社。規模は日本経団連の半分以下ですが、IT業界は楽天、グリーなど主要企業が軒並み加入しています(ほかにCCC、東京急行電鉄、ベネッセなど)。
さて、この新経済連盟ですが就活後ろ倒しについては、三木谷浩史・代表理事が2013年5月8日に次のコメントを出しています。
「(就職活動の開始時期を遅らせる政府の要請について)会員企業に要請することにならないと思う。外資系に優秀な人材を採られるのではないか」
日本経団連は政府要請を受け後ろ倒しを決定。しかし、新経済連盟は政府要請を会員企業には要請しない、つまり、就活時期は各社判断というわけです。
あまり大きく報じられていませんが、就活・採用時期の歴史上、経済団体の判断が分裂するのは初めて。
つまり、主要経済団体が後ろ倒しで足並みを揃えている、という論拠がすでに崩れているのです。
実際、IT業界の多くは採用担当者数が少ない企業でも競合各社の動きから3年生3月、あるいは3年生2月以前に決める企業が続出しています。
以上、奇数月の実施理由をそれぞれまとめてみました。就活後ろ倒しの1年目は学生、大学、企業、三者それぞれストレスを抱えたまま就活を進めることになります。本当にいったい誰得なんだか。(石渡嶺司)