会見での「ウソ」の見抜き方 こんな「言葉」や「仕草」は怪しい

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「考えるための時間稼ぎ」

   こうした観点から分析すると、先の「4つの言動」には、共通する「目的」が浮かんでくる。

   それは「考えるための時間稼ぎ」だ。本来ならば、正直に答えれば済むはずの話でも、仮にうそでその場を切り抜けようとした場合は、次から次へともっともらしい話をでっち上げなければならない。いかに想定問答の準備をしていても、予期せぬ質問をされれば言葉に詰まることもある。

   「では、○○記者のご質問にお答えします」という「儀式」を繰り返す様子などは、その数秒の間に必死に次のうそを考えるための時間稼ぎ戦法だ、と筆者の目には映った。話題となった、手を大げさに耳に当てる仕草も同様だ。

   繰り返しになるが、上記に触れた点だけで「うそ」かどうかを断定することは、当然できない。ただ、相手の真意を見抜くためには、話している内容だけでなく、その言い方や表情、身振り手振りにも神経を集中させる必要があるのは間違いない。

   この元県議の政務活動費疑惑をめぐっては、議会や市民団体が虚偽公文書作成容疑などで刑事告発しており、兵庫県警が捜査している。(甘粕潔)

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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