仕事中の効率を上げるために、適度な休憩は必要だ。一方で、多くの会社員は、なかなか「理想の休憩」をとれていないのも現実だ。「これって休憩?それともサボリ?」と、罪悪感から休憩を「自粛」してしまう人も少なくない。仕事にもプラスになる「ポジティブなサボり方」はないものか。
30~40代の会社員、7割が「日本人は休憩下手」
マーケティング会社のトレンド総研(本社・東京)が2013年、都内のオフィスで働く30~40代 男性会社員 300人にウェブアンケートを行ったところ(「『仕事』に関する意識・実態調査」2013年8月19日公表)、「仕事において休憩は必要だと思いますか?」という質問には、97%が「そう思う」と回答した。一方で、「仕事中に休憩をとることについて、他の社員の目が気になりますか?」と尋ねたところ、36%と4割弱が「気になる」と回答。
また、「仕事中に休憩をとることに対して罪悪感がある」と答えた人も、27%と3割弱にのぼった。さらに、「日本人は休憩下手だと思いますか?」との質問には、70%ものサラリーマンが「そう思う」と回答。日本人=真面目で勤勉というイメージもあって、「休憩下手な人が多い」と感じられているのかもしれない。
そんな会社員たちに、「休憩とサボリのボーダーライン」を尋ねたところ、「ゲーム」や「読書」など趣味に近い行動は「サボリ」と捉える人が過半数にのぼった。一方、「仕事に関係のないWEBサイトを見る」は、「休憩」35%、「サボリ」40%、「どちらとも言えない」25%と意見が割れている。ネットサーフィンには寛容な人もいる一方、場合によっては「サボリ」との印象を与えてしまうようだ。
「自分は新たな知識を取り入れている」という『免罪符』
人によって、休憩かサボリか、評価が分かれやすい「ネットサーフィン」。これをいかに、サボリに見せないか。女性向けサイト、「Googirl 」のコラム、「今日は仕事したくない!職場で上手に仕事をさぼる4つの方法」(2014年8月26日配信)によると、ネット検索を通して「何か1つについて異常な知識を身につける」ことで、「これはサボリではない」と思わせることができるという。
以前から気になっていたことをネットで調べ、画面を一心に見ながらノートをとる。この一連の流れで、「見た目はなんだか一生懸命仕事しているように見える」とか。確かに、ダラダラとニュースサイト巡りをしているよりも、「自分は新たな知識を取り入れている」という『免罪符』が得られる。サボることに罪悪感を覚えがちなサラリーマンも、少しは気が楽になるかもしれない。
また、フォルダを整理しているふりをして、文学作品が読めるサービスもある。「怠惰文庫」なるサイトでは、『走れメロス』『羅生門』などの作品がフォルダでダウンロード可能。その中には、さらに数百ものフォルダが入っており、フォルダ1つ1つのタイトルが、なんと文学作品の1行1行になっている。フォルダのタイトルを上から順にチェックしているふりをして、文学作品を読めるわけだ。「サボリ」とはいえ、巨匠たちの言葉から、思わぬ仕事のアイデアが浮かぶかもしれない。(KH)