人口ピラミッドとは、男女別に年齢ごとの人口を表したグラフのことです。
若い人が多く、老人が少ないほど経済的には有利であるという現実から、このグラフがピラミッド型になっている国は今後の成長余地が大きいと言われています。逆に、年少者が少なく中年?高齢者が多いツボ型になっている国は、高齢化問題に苛まれるといわれています。(そして、その急先鋒が日本です)
人口ピラミッドから考える
2014年現在、ピラミッド型になっているのは、フィリピンやインドネシア、インドといった新興国。ちなみに、中国やシンガポールやタイも、徐々にツボ型になっています。
この中でも、素晴らしいのがフィリピン。
なにせ、1950年くらいからずーっと綺麗なピラミッド型で、2050年くらいまではそれが続きそうだからです。
なぜ、フィリピンはこんなに綺麗なピラミッドが続くのでしょうか?
ピラミッドを保つために必要な事は、子供がたくさん生まれることと、老人が早く死ぬことです。
このコラムでも何度かお伝えしているとおり、あるお金は後先考えずすぐに使うフィリピン人。子供に関しても産むのは早いです。(しかも宗教的に中絶は不可能です)
出生率は、3.08人。日本の倍以上です。
先進国の医療を使いながら...
また、野菜をほとんど食べない上に医療レベルも低いので(看護師は「輸出」するほど多くいるのですが...)平均寿命は低くなります。現在68歳。日本よりも15歳も低いです。
つまり、日本の倍以上の割合で子供が生まれ、日本人よりも平均15歳早く亡くなる。人口ピラミッドの維持には最高の環境なわけです。
逆に言うと人口ピラミッドって、国民の寿命が短ければ短いほど経済的に強いというもの、国民にとってみたらいいんだか悪いんだかわかりません。少なくとも、人類の多くの人たちが望んでいるであろう「長生き」を達成すると、国全体としての経済には悪影響を及ぼしてしまうわけです。
21世紀、国家をどう運営していくかという議題は、学者と政治家に考えてもらうとして、個人が幸せに暮らすためにどうすればいいのかって考えると、私は、国をまたいで生活する事だと思っています。
先進国の医療を使いながら、新興国の経済を使ってお金を稼ぐ。そのために個人ができることはたくさんあります。
とはいえ、給料日の翌日、無邪気にショッピングモールで欲しいものを山盛り購入しているフィリピンの人たちを見ると、あまり難しいことを考えなくてもいいのかなあ何てことも考えてしまいます。(森山たつを)