「施術以外の仕事」が増え、お客様対応に集中できなくなった
一昨年に昇進し、部下をもつようになったE子さん。「自分のお客さんだけならいいけど、下の子のカルテも全部チェックして、指導しないといけない」ようになりました。カルテは全て紙ベースなので、後輩へのアドバイスも、もちろん手書き。「後輩のカルテは1枚1枚、めくってチェックする。営業が上手くいっていない子には、方法に問題がないか見て、コメントを書いてあげなきゃいけない」。これが大変で、E子さんは今、転職を考えて始めています。
彼女いわく、エステの施術自体はとても楽しいのです。綺麗になったお客さんの満足そうな顔を見ていると、この仕事は自分に合っていると思う。が、昇進して、後輩のカルテ管理など「施術以外の仕事」が増えたために、自分のお客様対応に集中できなくなってしまったのです。
エステ業界に興味をもつ女子は、美意識が高く、接客好きなタイプが多いといいます。しかし、その能力が発揮され、営業成績を上げて昇進したとたんに、後輩のマネジメントに時間を取られ、「もっと自分の接客時間を大事にしたいのに」と、不満を感じてしまう。こうして、せっかく育った人材が流出してしまうのは、ややもったいないような気がしました。
E子さんが次に選ぶ仕事が何になるかは、まだ分かりません。試しに転職支援会社の面談を受けてみたところ、彼女の「コミュニケーション力」は、エージェントも驚くほど群を抜いていたそうです。(北条かや)