自分の置かれた環境でベストを尽くすしかない
そして、一生スタッフレベルでOK!という人にはもう一つ問題があります。それは、日本国内でスタッフレベルの仕事をしている人の給料はこれからかなりの高確率で下がっていくことです。途上国の労働者や機械ができる仕事はどんどん奪われて賃金が下がっていることは本連載でも何度も指摘しているとおりです。
さらに、高齢化により税金や社会保障の額も上がるので、生活レベルはどんどん下がっていきます。昨日と同じ仕事をしていたら貧しくなっていくのが21世紀の日本。さあ、どうしますか?という問題なわけです。
このような現実をみるにつけ「昨日と同じ事をしているだけで給料が上がっていく、高度成長期に生きている人たちはうらやましいなあ」と思うわけですが、とはいえ、20世紀の日本の中流家庭よりも2014年のカンボジアの中流家庭に生まれたかったかというと、教育レベルや医療レベルを考えると、日本に生まれてラッキーと思ってしまいます。
結局の所、自分の置かれた環境でベストを尽くすしかないわけで、元々高いところから始まる下りエスカレーターに乗っている我々は、このアドバイスの通り、全力疾走で登っていくのがいいんじゃないかと思うわけです。(森山たつを)