「政府からの請求書」を受け取る「時期」よりも、「中身」を議論しよう

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増税劇場の演者たちの本音

   以上の点を踏まえると、増税劇場を演じる面々は、腹の底ではこんな風なことを考えていると思われる。

・票田である高齢者のために社会保障の財源となる増税はしっかりするけれども、社会保障自体の見直しはしたくない。
・もういい年なので、増税はぎりぎりまで先延ばししてほしい。将来のことは知ったこっちゃない。
・ぶっちゃけ自分は一円も払いたくないので、税金以外で取りやすいところから取ってほしい。

   ここまでくれば、まだまだ人生先が長くて、しかも給与袋に手を突っ込まれ放題なポジションにいる人たちが取るべきアクションは明らかだろう。それは「まず社会保障制度を抜本的に見直した上で、これから先の受給と負担の数字をクリアにしろ」と声を上げることだ。

   増税に反対したいのなら、その枠組みの中で少しでも自分の負担が軽くなるように意見するといい。新たな枠組みを議論するでもなく、ただ単に「増税反対!」と叫ぶことは、未来ある世代にとっては単なる自爆行為にすぎないだろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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