増税劇場の演者たちの本音
以上の点を踏まえると、増税劇場を演じる面々は、腹の底ではこんな風なことを考えていると思われる。
・票田である高齢者のために社会保障の財源となる増税はしっかりするけれども、社会保障自体の見直しはしたくない。
・もういい年なので、増税はぎりぎりまで先延ばししてほしい。将来のことは知ったこっちゃない。
・ぶっちゃけ自分は一円も払いたくないので、税金以外で取りやすいところから取ってほしい。
ここまでくれば、まだまだ人生先が長くて、しかも給与袋に手を突っ込まれ放題なポジションにいる人たちが取るべきアクションは明らかだろう。それは「まず社会保障制度を抜本的に見直した上で、これから先の受給と負担の数字をクリアにしろ」と声を上げることだ。
増税に反対したいのなら、その枠組みの中で少しでも自分の負担が軽くなるように意見するといい。新たな枠組みを議論するでもなく、ただ単に「増税反対!」と叫ぶことは、未来ある世代にとっては単なる自爆行為にすぎないだろう。(城繁幸)