アラフォー女性の「デスク周りはキャラものだらけ」 「許されるか」は本人のキャラ次第?

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   少し前、ある大手企業に勤める30代後半女性のデスクを、チラっと見る機会があったのでした。驚いたのは、彼女のデスクが「リラックマ」で埋め尽くされていたこと。リラックマは2004年頃から女性たちに人気のキャラクターで、ぬいぐるみや携帯ストラップ、文房具など、あらゆるグッズが売られています。

   もうすぐ不惑を迎えようという彼女のパソコンにも、リラックマの「だっこちゃん」風人形がくっついており、ボールペンもリラックマ、マウスパッドもマグカップも、全てがリラックマ。思わず「可愛いですね!」と言ったものの、果たしてこの「キャラものだらけのデスク」、どこまで許されるのか?

「男性も、特に引いたりはしてないみたい」

机の上、片付いていますか?
机の上、片付いていますか?

   デスク周りをいかに「飾るか」には、その人の個性が表れます。最近ではセキュリティ上の理由から、デスク周りは何も置いてはならない、という会社も増えていますが、まだまだ「本人の自由」という会社も多いもの。

   冒頭のリラックマ好き女性は、ぱっと見、いかにもデキる風なのです。が、そんな人こそ、いくつになっても「キャラもの好き」というケースは多いのかもしれません。特にリラックマは、「働く女子の部屋にある日突然やってきて、居候しているクマの着ぐるみ」という設定。女性たちから「癒やされる」と人気です。日々の仕事を頑張っているからこそ、デスク周りくらいは自分の好きなもので固めたい。そんな思いが伝わって来るようでした。

   働く女性に限らず、女子は何かとキャラクターが大好き。ディズニーグッズや、マイメロ、キティちゃん、最近では「カピバラさん」や、ご当地キャラも人気です。

   冒頭の女性によると、「男性も、特に引いたりはしてないみたい。『お、また1つアイテムが増えた?』とか、話題作りになる。リラックマが、私のキャラの一部になっているのかも」とのことでした。男性の中にも、実はキャラクター好きという人はいるでしょうから、ある程度は理解できるのかもしれません。

   ニュースサイト、マイナビウーマンの記事(「どこまで許せる?大人女子が持ったらNGなキャラクターグッズ」、2012年12月26日公開)を見ても、服装や鞄などデカデカとしたものでなければ、概ねOKという女子が多数派。自分もキャラ好きだから、職場の同僚にも寛容、という人が多いようです。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い?

   ただ、さすがに「キャラものデスク」を嫌がる人もいるのでした。読売新聞の運営する投稿サイト「発言小町」では、「会社の先輩女性(50代既婚)がキティちゃん大好きで、困っています。持ち物はすべて、キティちゃんで統一。色も赤、ピンクがほとんどで、もう赤い色を見るだけで嫌になってしまいました」との書き込みがありました(2009年1月9日)。相談した女性は、「そりゃ、いい大人がキティちゃんはナシでしょ」といった反応を期待して書き込んだのかもしれません。が、寄せられた回答は、全く逆のものでした。「それって私物ですよね。何か問題でしょうか?私の会社にもディズニーマニアがいますが、気になりませんね」「ノイローゼになりそうだなんて、あなたが神経質すぎるのでは?」などなど。

   さらに、「あなたがその先輩を疎ましく思っているから、キティちゃんグッズも嫌なモノに見えてくるのでは」という、冷静なツッコミも。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というわけで、嫌いな同僚がいると、その人が持っているキャラグッズまで疎ましく感じられてしまうのかもしれません。やはり、「好きなキャラものでデスクを飾りたいなら、まずは自分が『愛されキャラ』を確立しておく必要があるのかも」と思ったのでした。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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