「脱成長煽り」に騙されるな 超訳すれば、引退世代の「自己防衛」だ

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高齢者の「道連れ」に?

   私が住んでいるベトナムでは、こういうひとは少数派です。だって、豊かなひとが少なく、人口も若い人のほうが圧倒的に多いから。彼らは、もっと成長をもとめています。

   しかし、日本においては、高齢者が、脱成長と、ひたすら現状維持をもとめているわけです。そして、数の上でも彼らが多数派です。

   これに煽られて、貯金も既得権もない若者が、脱成長とかいっていると、とんでもない目にあいます。すべて現在の高齢者にお金がいくポンプのような仕組みに吸い取られて、最後は、高齢者と一緒に、道連れです。

   私は、現在の70歳以上と、彼らの金脈である35歳前後の現役世代は道連れとおもっています。そして、数十年後に、彼らがほとんどいなくなったころ、いまの現役世代も経済苦で、同時に没落しているでしょう。

   そして、その時に、生まれたくらいの子どもたちが、負債をすべてリセットして、ようやくいきいきと成長をめざすのだとおもいます。

   日本の世代交代は、1代では終わらず、先代が死ぬまで3代かかって、孫の子供の4代目から変わる。そういうサイクルなんです。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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