怨念を超え、「愛と怒り」のリクルート検証本 「出身」常見陽平氏が異例発表会でぶちまけたコト

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気になる元カノのような存在

中川氏との軽妙な会話で時には笑いも起きた
中川氏との軽妙な会話で時には笑いも起きた

   中川氏の「で、(リクルート)嫌いなの?」と改めて問われると、常見氏は「(本の執筆にあたり)最初は怨念だった。OBの中にはいまだに私を『コイツはリクルート時代に査定が低かった』との評価を下す人がいる。そういう閉じた環境がイヤでした。会社を辞めるときも、退職と言わずに『卒業』という表現を使う。『お前、卒業って言ってる割には未熟すぎないか』って。こういうのが幻想だと思うんです」と徐々にヒートアップ。それでも「最後は怨念と言うよりは、愛と怒りが詰まった1冊になった」とまとめた。そのうえで、こう加えた。

   「今日のリクルートは、経営の教科書通りの会社になった。でも昔はボトムアップの熱狂的な風土があった。なんだか今は『気になる元カノ』といった存在です」。

   リクルートに8年間在籍した常見氏は、当時と今を比べたときに会社の変化がその目にどう映っているのだろうか。会社ウォッチ編集部がこの点をたずねると、「リクルートは時代によって違います」と前置きしつつ、「今は立派な日本の大企業になった。ただ、若い会社を装うと努力しているように見えます」とこたえた。

   同氏が勤務していた2000年ごろは、赤字や不透明な会社のビジョンのなか「オレたちがやっちゃおうぜ」という若いエネルギーにあふれていたそうだ。ベンチャーのにおいを残しつつ、「リクルート事件」の影響もあってなんとなく「胡散臭い会社」と見られていた雰囲気が以前はあったが、今は「立派な会社」になったとの感慨を語った。

   同書は、9月9日発売予定。

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