「親への報告」プレッシャーで休学した大学生も 「ほぼ毎日電話」は当たり前!?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求
「先生、自分はT大に入学するためにここに来ました」「そう……うちはT大じゃないし、予備校でもないんだけど??」

   しばらく前に在学していたリケダンとの会話である。私は最初、彼が何を言いたいか全く分からなかった。よーく話を聞いたところ、どうやら「T大の大学院に進学したい」とのことであった。

行動報告、小テストの点数、成績…すべて実家に電話

もしもし?お母さん?
もしもし?お母さん?

   なるほどね、行動が正解かどうかはさて置いて、理解できなくもない。リケダン、リケジョの大学卒業後の進路、たとえば大学院の話などもそのうち紹介したいと思うが、一般に同じ大学でも「学部」に入学するよりも「大学院」に入学する方が入りやすかったりする。どうやら彼は「御両親の勧め」で少しでもT大に物理的に近付くべく、実家から遠く離れた東日本の大学に進学してきたようであった。

   色々と話を聞いてみると、ほぼ毎日実家に電話して「本日の行動報告」を行っているようであった。ちょっとした「小テストや演習の点数」も全て報告して御両親より叱咤激励を受け、定期テストの成績が出た日になんて電話の双方で「一喜一憂」しているようであった。

「お母さんが『T大以外は意味がないから、とにかくT大の大学院に入れるように勉強しなさい』って言うんです」、「お父さんが『T大を出れば、将来はバラ色だから』って言うんです」、「先生、僕のこの成績でT大の大学院に合格できますか?お母さんが心配しているんです」……

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
姉妹サイト